体質改善とサプリメンテーション【総集編】

2024年07月5日

体質改善とは何を指しているのか?解像度をもう一つ上げて解説

体質改善という言葉が昨今流行っており、一言で体質改善と言っても何を以て体質改善とするのか?努力すべき方向性はどこか?明確な基準は何か?
時間もお金も労力もかかることなので明確にしておかなくてはなかなか続かないはずです。

ここでは医療従事者国家資格者の立場で、さまざまな栄養学、代謝学、病理学、整形外科学に数100万円(少なくとも)と10年以上かけて勉強してきた中で、たどり着いた体質改善の定義と概念についてお話します。

体質改善の定義

何を以て体質が悪いと判断するのか?
何を以て体質が改善したと判断するのか?

いくつか指標として考えたい概念があります。

①耐糖能

耐糖能という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
あまり馴染みのない言葉かもしれません。
これは読んで字の如く、糖質を口から食べて体に入れた時にどれだけ効率よく消化、吸収して、血液を介して身体中に運搬し、どれだけ効率よく身体中の細胞に取り込んで燃焼できるか?という指標です。

超重要な指標の1つで耐糖能が正常な方は私の体感だと全体の50%くらいの印象です。
それほどまでに下がっている方が多い指標です。
フリースタイルリブレという血糖値測定パッドを使い簡単に測定し指標とすることができますし、血液検査の結果を見れば簡単に読み取れます。

②栄養状態

これは漠然とした表現ですが、指標がしっかりと存在します。
身長、体重、年齢、性別から割り出される基礎代謝と運動代謝を計算し、まずは過不足なくカロリーが摂取できているか?を確認します。
カロリー管理に適した外部のサイトやアプリも後ほど紹介いたします。

次に重要なのがPFCバランスです。
こちらはp=プロテインつまりタンパク質、f=ファットつまり脂質、c=カーボつまり炭水化物
の摂取バランスです。
理想のバランスは耐糖能や年齢、運動習慣によって変動しますが、基本的にはPFC=20:25:55くらいが目安となるでしょう。

カロリーが摂取できていてもバランスが適切でなければ身体は低エネルギー状態となり、太りやすい、元気が出ない、むくむ、集中力が持続しないなどが起こります。

この指標は結果だけを見ることはできず、記録を通して分析を行う必要があります。

③アレルギーや慢性的な体の痛み、慢性皮膚炎の有無

この指標は結果にフォーカスした指標です。
アレルギーや慢性皮膚炎では、腸内環境(特に小腸)の悪化、肝臓の解毒処理機能の疲弊、甲状腺機能の低下、炎症作用に抵抗する副腎皮質の疲弊などを疑います。

慢性的な体の痛みがある場合にも、睡眠の質の低下自律神経バランスの乱れ睡眠時の血中アミノ酸濃度の低さを疑います。
慢性的に筋肉や軟部組織、神経などが回復できていないのは、修繕材料の不足も疑わしいわけです。
材料がなければもちろん堅牢な構造物は作られません。
また、たんぱく質合成ホルモンといって、筋肉や軟部組織や神経などあらゆる組織を修復させるホルモンの代表格は成長ホルモンです。
成長ホルモンが分泌されるのは睡眠導入後1−2時間後です。
そもそも睡眠の質が悪くて中途覚醒を繰り返していれば成長ホルモンは十分に出ませんし、成長ホルモンが十分に出たところで血液中に運搬されている材料(アミノ酸=タンパク質)が少なければ意味がありません。

睡眠の質を高めることと、睡眠前にタンパク質(プロテイン)を摂取することが重要なわけです。

 

 

ではどうすれば良いのか?

セクションごとに出てきたキーワードを並べてどうすべきか整理しましょう。

 

①耐糖能セクション

血糖値の適性数値は

空腹時に80-100で安定していること。

食後2時間以内に140以下に血糖値が降りてくること。

食後200以上に血糖値が跳ね上がらないこと。

ヘモグロビンA1Cが5.8以下。(赤血球が糖分とくっついてしまっている割合)

低血糖(血糖値80以下)に下がらないこと。

が重要です。

この記事でここだけは理解していただきたいキーワードを発表します。

それは【血糖コントロール】です。
糖尿病ではなかろうが太っていなかろうが痩せていようが、全員に必要です。
重要すぎて大きくしすぎてしまいました。

血糖値とはなんぞや?

人間は生きていくために、血管という栄養運搬ルートを使って全身の何兆個の細胞に糖というエネルギーを運んでいます。
細胞がエネルギーとしているのは主に糖と脂です。
脂でもエネルギーにはなりますが、糖はど効率よく燃焼できず、しかも活性酸素という炎症の原因となり肝臓等に負担をかける廃棄物も作り出します。
厄介なのが、細胞は糖か脂のどちらかしか同時に使うことはできません。
これをランドルサイクルと言います。
ここで全身の細胞で糖ではなく脂をエネルギー源に選択する細胞が増えると、当たり前ですが血管中には使われないので糖が余ります。
管中のの割合がい=血糖値が高い
という概念が血糖値なわけです。

つまり血糖値が高い方の多くは糖の食べ過ぎではなく、脂の食べ過ぎによって、全身の細胞が脂をメインエネルギーとして選択し、糖を使わなくなってしまっている。ということが言えるわけです。

 

脂がメインエネルギーだとデメリットはざっくり4つ。

①呼吸症という指標があり(説明省きます)脂は酸素消費効率が糖に比べて悪い。
②活性酸素が発生しやすく、肝臓に負担をかけやすい。
③脂には食物繊維が含まれない(含まれるのは糖質のみ)のため善玉腸内細菌の餌が不足し悪玉菌が増える結果、腸内環境が悪化し、腸から栄養を取り込んで真っ先に解毒処理を施す肝臓にもまたもや負担がかかる。
④日頃から糖を代謝する機会が少ないと耐糖能が下がりやすく血糖コントロールが難しくなる。

 

低血糖

また、上記基準の中で最後の低血糖に関してはフリースタイルリブレがなくてもある程度予測可能です。

低血糖になると以下の症状が現れます。
・手足が冷たくなってくる
・イライラする
・急激に眠くなる、ぼーっとする、集中できない
・絶望感、虚無感など精神症状
・睡眠時であれば悪夢や中途覚醒

低血糖は絶食時間が長い場合や糖質の摂取割合が少ない場合にも確かに起こりますが、それよりも血糖値の特性「急激に上がったものは急激に下がる」が関係することが多いです。
ランチに食べすぎると耐糖能が低い方は眠くなります。覚えありませんか?

多くの方がここで対応策を誤り、糖質を控えるとかランチは食べないとかやりますが、間違いです。耐糖能を上げるという策を講じるべきです。

吸収されやすい甘いものも血糖値の急上昇からの急降下を引き起こします。
なるべく甘みの少ない糖(ご飯や芋など)が望ましいでしょう。

低血糖は体にとってはエネルギー不足という大変危険な状態を想起させます。
よって自律神経も交感神経優位となり興奮、覚醒、不眠、イラつき、不安感、体の緊張が取れない(肩こり等)などの症状に結つきやすくなります。

交感神経優位の方はまず、血糖コントロールがおすすめです。施術と合わせて行えれば効果抜群です。

改善策

耐糖能を改善するには、重要なことは3つ
①脂質を意識的に控える
②一回にドカ食いせず少量の食事を頻繁に摂る。(少量頻回食)
③ビタミンB群は糖代謝に必要な栄養素が集中している。ただし尿で排出されやすいので数回に分けて継続的に摂取する必要あり
④肝臓機能のケア アルコールや不要な薬剤は控え、カロリーを必要分しっかり摂取する(カロリー不足や空腹時間が長いと肝臓の糖新生という別の機能を使うためやはり負担がかかる)肝臓と脳で大量消費される栄養素であるビタミンCを大量に補給する。ただし水溶性ビタミンのため尿中で排出されるため数回に分けて摂取する必要あり
⑤食後に横になったりだらだらせず、散歩する、少しストレッチするなど動く。
⑥低血糖を感じたら速やかに補食(糖質メインでおにぎりなどを少量つまむ)
⑦年齢とともに減少するコエンザイムQ10(還元型のみ効果高い)、αリポ酸も糖代謝を促進する栄養素です。

 

②栄養状態セクション

こちらは前項でも比較的触れたのですが、要は脂質控えめ、糖質しっかり。少量頻回食をもっと厳密に管理するパターンです。

糖尿病や悩みがより深刻な場合には選択する必要があるパターンです。

おすすめのツールと使い方の順序を記します。

①まず「メディカルズ本舗」と検索しご自身の年齢、性別、体重、身長、運動程度を入力してください。
基礎代謝と運動代謝が計算されますので摂取すべきカロリーを運動代謝のカロリーと定めます。

②その上でそのカロリーを理想値のPFCバランスに当てこみます。
3000kcalであれば PFC=20:25:55なら  PFC=600:750:1650 (kcal)
となります。あとはこのカロリー比率に従って
タンパク質600kcal 脂質700kcal 炭水化物1650kcalで摂取していけばOKです。
管理しやすいようにg単位に直しますと
タンパク質は1gあたり4kcal 脂質は1gあたり9kcal 炭水化物は1gあたり4kcalですので
タンパク質150g,脂質77g,炭水化物412gとなります。
ね?炭水化物が圧倒的に多くて脂質控えめになるでしょう?
現代人はそもそもここから狂っている可能性が非常に高いわけです。

またカロリー管理は食べた食材を記して計算する必要があるわけですがここでもおすすめのツールがあります。
アプリで「My fitness pal」と検索してインストールしてください。
無料版で十分です。
このアプリで食べたものを入力するとざっくりカロリーとPFCバランスと栄養素を計算してくれます。
非常に楽ちんです!

 

③アレルギーや慢性的な体の痛み、慢性皮膚炎の有無セクション

ここでは出てきたキーワードが多いので一度ワードの整理をして、ワードごとに前述した対応策と合わせて記載していきます。

 

①腸内環境(特に小腸)の悪化

②肝臓の解毒処理機能の疲弊

③甲状腺機能の低下

④炎症作用に抵抗する副腎皮質の疲弊など

⑤睡眠の質の低下

⑥自律神経バランスの乱れ

⑦睡眠時の血中アミノ酸濃度の低さ

以上のざっくり7つでした。

1つ1つに対応策を追記します。

①腸内環境(特に小腸)の悪化
→食物繊維量の担保、善玉菌そのものを摂取する。(サプリメントを使わない場合は糖質量と発酵食品の摂取、脂質を控える、必要な時以外に独断で抗生物質は飲まない)

②肝臓の解毒処理機能の疲弊
→ビタミンC大量補給、脂質を控えて糖質をしっかりとる、必要なカロリーを十分に摂る、血糖コントロール

③甲状腺機能の低下
→肝臓に負担があると非活性型甲状腺ホルモン(T4)を甲状腺ホルモン(T3)に変換しづらくなる。まず肝臓ケア。
 エネルギー不足で脳機能低下。視床下部や下垂体の機能が落ちれば甲状腺ホルモン分泌の命令を出せない。
 まとめると、必要なカロリーをしっかりとって低脂質、糖質しっかりとりつつ、代謝を回すビタミンB群、コエンザイムQ10、αリポ酸、肝臓ケア、脳ケアにビタミンC、マグネシウム

④炎症作用に抵抗する副腎皮質の疲弊など
→炎症が常に起こっているということは肝臓ケア必須、必要カロリー必須、血糖コントロール必須。血糖値を無理やり上げるホルモンも副腎から出しているのでそこにリソースを割かせないこと。(コルチゾールなど)副腎髄質からはアドレナリン、ノルアドレナリンも出るがいずれも低血糖を検知すると放出される血糖値を上げる作用のあるストレスホルモンである。
出すほど交感神経優位にもなり不安感、覚醒等も起こりやすくなる。

⑤睡眠の質の低下
血糖コントロール、必要カロリーの摂取、脂質を控えて糖質しっかり食べる。マグネシウムは補酵素と言って、全身の代謝と筋肉や自律神経の弛緩(緩める)も担うためおすすめ。

⑥自律神経バランスの乱れ
血糖コントロールがまず最初にやるべきこと。

必要カロリーの摂取、脂質を控えて糖質しっかり食べる。マグネシウムは補酵素と言って、全身の代謝と筋肉や自律神経の弛緩(緩める)も担うためおすすめ。

 

⑦睡眠時の血中アミノ酸濃度の低さ

→睡眠の質と時間が確保できているようであれば、睡眠前にタンパク質(プロテイン)の摂取が手軽。肝臓に現段階で負担がある可能性がある場合はなるべく人工甘味料不使用で無添加なものを選びたい。

 

まとめ

様々な観点からなるべく簡単に「体質改善」について書いてきましたが、結局のところ行うことは共通点や重なっている部分が多いことに気づけると思います。

血糖コントロール、そのための栄養素の摂取(ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム、コエンザイムq10、αリポ酸)、体を回復させるための睡眠ケア(血糖コントロール、マグネシウム、プロテイン)。

複雑な栄養成分や突拍子もないとんでも療法なんて必要ありません。

基本に忠実に、どうしても普通の食事で補いきれない部分はサプリメンテーションでカバーする。
忙しく生きる現代人には栄養と体質管理のマインドセットがパフォーマンスと健康維持に必須のスキルだと考えます。