鵞足炎とは?

2024年09月3日

鵞足炎とは?

 

鵞足とは足の脛の骨の内側に存在する内転筋(モモの内側の筋肉)の付着部です。

内転筋(モモの内側の筋肉)の付着部であるため、内転筋が収縮が緊張する時、もしくは内転筋が伸ばされる時に痛みを発生させます。

似た怪我に内側側副靱帯損傷があり、見分ける必要があります。

簡単な見分け方としては、膝関節の内側の曲がるポイント(関節の真上)を押していたければ内側側副靱帯損傷の可能性が高く、それよりもやや下方に痛みのポイントがずれると鵞足炎の可能性が高まります。

また、鵞足に付着する筋肉である縫工筋、薄筋、半腱様筋を収縮させることで痛みを誘発させるかどうか確認する疼痛誘発テストで痛みが誘発されれば鵞足炎、されなければ内側側副靱帯損傷の疑いが強くなります。

 

鵞足炎を放置するとどうなる?

鵞足炎を放置すると慢性的な膝の痛みや水腫、変形の原因になることがあり注意が必要です。

同じく内側側副靱帯損傷も放置すれば膝関節の不安定症などを残しやすく、どちらにしても放置は厳禁です。

 

鵞足炎の根本原因は?

鵞足炎はどんなことが原因なんでしょうか?

内転筋の過剰な収縮や牽引と前述しましたが、鵞足炎は一回それが起きただけでは発生しません。

繰り返し同様のストレスを受けてゆっくり進行していきます。

つまり、生活習慣や体の使い方の癖が根本の原因となるわけです。

この章では根本原因となり得る要素について解説していきます。

①股関節が硬く緩衝性が乏しい

一番多いのが①と②です。
①は股関節の硬さが原因で、歩行や走るなどの時に地面から受ける床反力の衝撃を股関節が受け止め、クッションしてくれないことです。

股関節は人体最大の関節であり、可動域も周りの筋肉の大きさも人体最強最大と言っても過言ではありません。

本来なら相当な強度のサスペッション(バネ)のような役割をして衝撃を吸収してくれるはずの関節ですが、股関節が硬くなると衝撃が吸収できません。(バネも錆びて硬くなると衝撃を吸収してくれませんよね。)

股関節が吸収できない衝撃は膝や腰など股関節の付近の関節に肩代わりされます。

膝に本来はかからない負荷が掛かれば周辺組織の緊張は高まり、内転筋の収縮や牽引といった事象が発生しうるわけです。

 

②足の裏のアーチ形成が不十分

これも非常に多いパターンです。

わかりやすく言えば扁平足や外反母趾と言われる方はこれに該当します。

足の裏のアーチ構造には3種類あり(伊藤は4種類だと考えていますが)内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチが存在します。

このアーチ形成が不十分だと脚全体の運動軸が崩れ、本来の膝の運動方向ではない方向に運動が生じます。

       

 

結果、内転筋に収縮、弛緩が繰り返し発生すれば鵞足炎となっていきます。

 

③運動不足などで原因筋が硬くなっている

鵞足に付着する筋肉が硬くなれば、骨を引っ張る牽引力になります。

鵞足に付着する筋は縫工筋、薄筋、半腱様筋の3つです。

筋肉が硬くなる原因は様々ありますがその1つは長い間筋肉がポンプされなかったことから発生する廃用症という現象です。

筋肉は収縮弛緩を繰り返すことで血流を促進して、酸素や栄養素を取り込み筋肉自体を柔らかく健康な状態に保っています。

ポンプされない状況が続くと筋も栄養不足、酸素欠乏に陥り硬くなっていきます。

硬く縮むということは、牽引力を発生させる要因となるわけです。

 

鵞足炎の改善方法は?

前項で代表的な原因3選を説明しましたが、まだまだ様々な要因で鵞足炎は起こりえます。

ただしキリがないので原因も改善法も3つ、代表的なものに絞って説明します。

 

①のパターン 股関節の硬さ

→このパターンはシンプルで、股関節のストレッチや手技療法、物理療法で股関節や周辺の筋肉を緩めていきます。
ご自身でできるケアとしても股関節のストレッチとなるでしょう。
ただし股関節は人体最大の関節であり、そこに付着する筋肉、神経、血管も複雑な走行と構造を持っています。
セルフケアだけで改善はかなり難しいでしょう。
横須賀悠整骨院では、股関節周辺の筋肉、支配神経、動脈、静脈を目的に応じて狙い分けたアプローチを行います。
長年股関節の硬さに悩まれていた方でも改善した事例が多くありますので気軽にご相談ください。

②のパターン 足のアーチ形成不十分

このパターンでは足の裏も含めた運動療法と足の裏の骨の整復(骨を正しい位置に戻す方法)をご提案します。

運動療法はセルフでも行えるのでぜひ動画を参考にしてやってみてください。(動画は私です笑)

足の運動療法動画はこちら

また、運動療法は根本改善の上で必須のアプローチではありますが、効果が出るには継続と時間が必要です。
部活動をされていたり、仕事で歩かざるをえないなど、早く効果が必要な方にはテーピング固定か、インソールをお勧めしています。

手っ取り早く運動軸を正すことができるのでお勧めですが、インソールを履いていない時にも矯正されるわけではありませんので、やはり運動療法は必須になります。

当院で取り扱っているインソールはスーパーフィートです。

ソルボさんやシダスさんなど様々試しましたが、私がこだわりたいポイントを一番押さえていたのは現状スーパーフィートでした。

(こだわりポイントは、超簡単にいうと舟状骨と第一中足骨の角度です。解説してほしいマニアックな方にはご要望とあらばご来院時に説明します笑)

テーピングでも擬似的にインソールに近い環境を作れますので、まずテーピングを試してみてから検討されても良いかもしれません。

インソールも無料体験可能です。

③廃用症のパターン

こちらは大変難しい説明になりますので割愛しますが、施術で改善可能です。

筋肉の栄養不足、酸素欠乏が発生した時に、身体は筋肉内でも重要度の低い機能から機能制限をかけて必要栄養量、酸素量を下げて構造を保存しようとします。

この時に早い段階で食い減らしされるのが、受容器と呼ばれるセンサーです。

横須賀悠整骨院の施術や物理療法では、このセンサーに対して働きかけるアプローチが体系化されています。

 

まとめ

今回は鵞足炎について解説いたしました。

鵞足炎は放置、悪化させれば怖い怪我の1つですが、正しくアプローチできればしっかり治し切ることが可能な怪我です。

再発しないようしっかりお手伝いできればと思いますので、お悩みの方はお気軽にご相談くださいね。