ランニングと足の形に合わせたインソールの効果とは?

2025年08月26日

ランニングと足の形に合わせたインソールの効果とは?

神奈川県横須賀市久里浜駅と北久里浜駅の中間に位置しております。
横須賀悠整骨院です。

本日は「ランニング時のインソールの役割」について、最新の研究を踏まえてご紹介します。

ランニングをされている方の中には、「足が疲れやすい」「膝や腰に負担を感じる」「走り方がぎこちない」といった感覚を持つ方が少なくありません。こうした背景には、足の形(アーチの高さや足の傾き)が関係している場合があります。特に「偏平足(へんぺいそく)」と呼ばれる、土踏まずが低く内側に倒れやすい足型の方は、走行中の負担が大きくなる傾向が知られています。

そこで注目されているのが、「二重硬度インソール(ダブルデンシティ・フットオルソーシス)」です。これは、異なる硬さの素材を組み合わせることで、クッション性と安定性の両立を目指したもの。実際にこのインソールを使うことで、どのような変化が起こるのでしょうか。

 

最新研究から見えるインソールの働き

2025年にBMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation誌に掲載された研究(Alhusaini Aら, 2025年)では、偏平足を持つ成人20名と、普通の足型を持つ成人20名を対象に、走行中の足の力(地面反力)や脚の筋肉の活動を比較しました。

研究の方法
        •       被験者は18メートルのコースを一定のスピード(時速約11.5km)で走行。
        •       足裏の力を床に埋め込まれたセンサーで計測。
        •       太もも・ふくらはぎ・すね・お尻などの筋肉の働きを筋電図で測定。
        •       「裸足」「靴のみ」「靴+インソール」で比較。

結果①:着地時の衝撃が減少

偏平足の人がインソールを使うと、かかとが着地した瞬間にかかる力が小さくなり、力のピークが出るまでの時間も短縮しました。つまり、着地の際にかかる衝撃がやわらぎ、スムーズに体重を受け止めやすくなるという傾向が見られました。

結果②:筋肉の負担が軽減

偏平足の人では、すね・ふくらはぎ・太もも・お尻といった多くの筋肉が、着地時に強く働いていました。しかし、インソールを入れるとその活動が大きく減少。余計な筋肉の緊張を抑え、走行時の負担を軽減する効果が確認されました。

特に、太ももの内側(内側広筋)やふくらはぎの内側(腓腹筋内側頭)でこの効果が大きく、走る際の安定性に関わる筋肉の使い方が効率的になっていました。

結果③:蹴り出し動作では足型によって効果が違う

一方、普通の足型の人では少し違う結果が出ています。
        •       インソールを使うと、蹴り出し時に太もも前面・ハムストリングス・お尻の筋肉の活動が増加。
        •       これは、前に進む推進力をサポートする可能性を示しています。

つまり、偏平足の人には「負担を減らす働き」、普通の足の人には「推進力を高める働き」と、同じインソールでも作用の仕方が異なることがわかります。

 

臨床的なポイント

この研究から言えるのは、「インソールの効果は一律ではなく、足の形によって違う」という点です。
        •       偏平足の方:着地時の衝撃がやわらぎ、脚の筋肉の余計な負担が減ることで、疲れにくさや負担の軽減につながる可能性がある。
        •       普通の足の方:蹴り出しの動作が強調され、走行効率や推進力の向上につながる可能性がある。

ただし、これは「効果が絶対に出る」「ケガを治せる」といったものではなく、あくまで走行動作における力のかかり方や筋肉の働き方に変化が見られたという研究の報告です。

まとめ

        •       インソールは「衝撃吸収」と「推進力サポート」の両面を持つ。
        •       その効果は「足の形(偏平足かどうか)」によって異なる。
        •       偏平足の方には「負担軽減」、普通の足の方には「効率アップ」の可能性。

横須賀悠整骨院でも、ランニングやウォーキングでの不調をご相談いただくことが増えています。足型や身体の使い方は人によって大きく異なるため、「自分の足に合ったサポート」を取り入れることが大切です。

走るときに「疲れやすい」「同じ場所が張りやすい」と感じる方は、一度足型や走り方をチェックしてみると、新しい気づきが得られるかもしれません。

参考文献

Alhusaini A, et al. Effect of double-density foot orthoses on ground reaction forces and lower limb muscle activities during running in adults with and without pronated feet. BMC Sports Sci Med Rehabil. 2025;17:54.
https://bmcsportsscimedrehabil.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13102-025-01095-5

📌 本記事は研究紹介を目的とした内容です。記載された内容は効果を保証するものではなく、症状の診断や治療を意図するものではありません。