痛みや不快感に対する運動介入の頻度についての根拠と研究
2025年09月4日
痛みや不快感に対する運動介入の頻度についての根拠と研究

私たちの身体は、日常生活や仕事の習慣によって少しずつ偏りが生じていきます。その代表的なものが「マッスルインバランス」と呼ばれる状態です。ある筋肉が過剰に働き、反対側の筋肉が十分に働かなくなることで、姿勢や動作のバランスが崩れてしまいます。特にデスクワークや長時間のスマートフォン使用が多い現代では、首や肩まわりのマッスルインバランスが問題になりやすいと考えられます。
では、このマッスルインバランスに対して運動でアプローチする場合、どのくらいの「頻度」で行うのが望ましいのでしょうか。
研究から見える運動の効果
2007年にFallaらは慢性的に首の不快感を抱える方を対象に、異なる運動プログラムを6週間実施し、姿勢への影響を検討しました(Falla et al., 2007)。その結果、特に深層の首の筋肉(頭部頸屈筋)をターゲットにした運動が、座位姿勢をより安定させる効果を示したと報告されています。
この研究で特徴的なのは「6週間」という継続期間が設けられていたことです。短期間では体の使い方はなかなか変わりませんが、一定期間をかけることで徐々に姿勢の安定が得られることが示唆されました。
頻度の重要性
では、週に何回行うのが良いのでしょうか。Fallaらの研究の抄録では正確な頻度までは示されていませんが、過去の関連研究では「1日数回」「短時間での反復」が推奨されるケースが多いとされています(Jull et al., 2009)。
これは筋肉を大きくするトレーニングとは異なり、「正しい動きの再学習」や「深層筋の協調性改善」が目的だからです。つまり、強い負荷をかけて週1~2回だけ行うよりも、軽い負荷であっても毎日コツコツと行う方が望ましいと考えられます。
実際、マッスルインバランスを整えるための運動は「短時間でできるもの」が多く、デスクワークの合間や自宅で簡単に取り入れられるのも特徴です。
強度は「きつすぎない」ことがポイント
頻度と並んで重要なのが「強度」です。筋肉を大きくするウェイトトレーニングでは「追い込む」ことが重要ですが、マッスルインバランスの改善を狙う場合は逆に弱い刺激を繰り返すことが大切です。
たとえば、首の深層筋を働かせる運動では、圧力フィードバックを用いながらわずかな圧の変化を保持する方法がよく用いられます(Jull et al., 2008)。これは見た目にはとても地味な運動ですが、普段あまり使えていない筋肉を呼び起こすためには、過剰な負荷よりも「繊細な動き」が必要なのです。
習慣化こそ最大の効果

マッスルインバランスは、長年の生活習慣によって少しずつ蓄積したものです。そのため、1週間や2週間で一気に解消できるわけではありません。大切なのは、継続して習慣化することです。
Fallaらの研究で「6週間の継続」が鍵となったように、私たちの体は少しずつ正しい動きを覚えていきます。たとえ1日5分でも、毎日続けることが姿勢や動きの安定につながっていきます。
整骨院でのサポートの役割
もちろん、自己流で運動を行うと効果が出にくかったり、かえって負担をかけてしまうこともあります。横須賀悠整骨院では、患者さま一人ひとりの姿勢や体の使い方をチェックし、適切な運動方法や頻度をご提案しています。
また、実行して行くと個体差によるエラーや時間経過と共に間違った工夫を習得してしまうこともあります。
それらを修正するのもまた我々の役割です。
また、実行して行くと個体差によるエラーや時間経過と共に間違った工夫を習得してしまうこともあります。
それらを修正するのもまた我々の役割です。
「どのくらいの強さで」「どのくらいの回数を」「どのタイミングで」行うかは人によって異なります。専門家のアドバイスを取り入れることで、より安全に効率よく習慣化していくことができます。
まとめ

• マッスルインバランスは生活習慣から生じやすい。
• 運動介入の効果は「6週間以上の継続」で現れやすい(Falla et al., 2007)。
• 頻度は「少しずつ、繰り返し」が有効(Jull et al., 2009)。
• 強度は「きつすぎず、繊細な動き」がポイント(Jull et al., 2008)。
• 習慣化と専門的なサポートで、姿勢や動作の安定が期待できる。
• 運動介入の効果は「6週間以上の継続」で現れやすい(Falla et al., 2007)。
• 頻度は「少しずつ、繰り返し」が有効(Jull et al., 2009)。
• 強度は「きつすぎず、繊細な動き」がポイント(Jull et al., 2008)。
• 習慣化と専門的なサポートで、姿勢や動作の安定が期待できる。
横須賀悠整骨院では、皆さまがご自身の体を理解し、より快適な生活を送れるように運動習慣づくりをサポートしています。「首や肩がすぐにつらくなる」「姿勢が気になる」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
1. Falla D, Jull G, Russell T, Vicenzino B, Hodges P. Effect of neck exercise on sitting posture in patients with chronic neck pain. Spine (Phila Pa 1976). 2007;32(6):E174–E180. doi:10.1097/01.brs.0000258618.75770.04
2. Jull G, Falla D, Treleaven J, Hodges P, Vicenzino B. Retraining cervical joint position sense: the effect of two exercise regimes. J Orthop Res. 2008;26(3):404–412.
3. Jull G, Sterling M, Falla D, Treleaven J, O’Leary S. Whiplash, Headache, and Neck Pain: Research-Based Directions for Physical Therapies. Edinburgh: Churchill Livingstone; 2009.
1. Falla D, Jull G, Russell T, Vicenzino B, Hodges P. Effect of neck exercise on sitting posture in patients with chronic neck pain. Spine (Phila Pa 1976). 2007;32(6):E174–E180. doi:10.1097/01.brs.0000258618.75770.04
2. Jull G, Falla D, Treleaven J, Hodges P, Vicenzino B. Retraining cervical joint position sense: the effect of two exercise regimes. J Orthop Res. 2008;26(3):404–412.
3. Jull G, Sterling M, Falla D, Treleaven J, O’Leary S. Whiplash, Headache, and Neck Pain: Research-Based Directions for Physical Therapies. Edinburgh: Churchill Livingstone; 2009.





