『たかが捻挫』で済ませない

2026年09月9日

神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。当院には、お子さんの部活動や地域のスポーツチームでの怪我、あるいはご自身がレクリエーションで体を動かした際の捻挫や打撲について、「病院に行くほどではない気がするけれど、心配で」とご相談にいらっしゃる方が少なくありません。今回は、スポーツでの怪我にまつわる海外の研究をひとつご紹介しながら、地域の皆さまに知っておいていただきたいことをお伝えします。

見過ごされやすいスポーツの怪我

足首をひねった、ボールが当たって指が腫れた、転んで頭や膝を打った――こうした出来事は、部活動や地域のスポーツの現場で日常的に起こります。多くは数日で腫れや痛みが落ち着いていきますが、中には見た目以上に組織へのダメージが残っているケースや、放置することで回復が長引くケースもあります。とくに成長期のお子さんや、久しぶりに運動を再開した中高年の方は、ご自身が思う以上に身体への負担が大きくなっていることがあります。

今回ご紹介したいのは、アメリカの救急外来受診データ(NEISS)を用いて、ソフトボール競技者の外傷を2015年から2024年までの10年分にわたって分析した研究です。対象となったのは主に14歳から23歳の女性競技者で、頭部・足関節・膝の受傷が特に多く、年齢や性別によって怪我の起こり方に違いがあることが示されています。ソフトボールに限らず、野球やバレーボール、ハンドボールなど身体接触の少ない競技でも同様の部位に負担がかかりやすいため、地域でスポーツをされる方全般にとって参考になる内容だと当院では考えています。

このような疫学研究は、一人ひとりの症例からは見えにくい「どの世代の、どの部位に、どの程度の頻度で怪我が起きやすいか」という全体の傾向をつかむのに役立ちます。当院に来院される方の年代や競技を振り返っても、足首や膝の怪我でご相談いただくことが多い印象があり、研究の結果と重なる部分を感じています。

こんなときは注意が必要です

  • 足首を捻ったあとの腫れと、体重をかけたときの痛み
  • 突き指のあと、指がまっすぐ伸びない、曲げにくい
  • 転倒や接触による打撲部の熱感、内出血
  • 頭部への衝突後のふらつきや頭痛、吐き気
  • 膝をひねったあとの、階段の昇り降りでの不安定感

こうした症状が数日経っても引かない場合や、日常の動作にまで支障が出ている場合は、単なる打ち身以上のダメージが残っている可能性があります。ご本人が「大丈夫」と思っていても、周りから見て動きがぎこちなくなっているときは、一度専門家に確認してもらうことをおすすめします。とくにお子さんは、痛みを我慢して大人に伝えないまま練習を続けてしまうことがあるため、保護者の方が普段の歩き方や表情の変化に気づいてあげることも大切な役割になります。

原因として考えられること

研究では、頭部・足関節・膝への受傷が突出して多いと報告されています。これは、これらの部位が着地や方向転換、送球やスライディングといった動作の中で繰り返し負荷を受けやすいためと考えられます。とくに足関節は、一度捻挫を起こすと靭帯がゆるんだ状態のまま競技に復帰してしまい、同じ場所を繰り返し痛めるケースが目立ちます。膝についても、切り返しの動作で内側にひねる力が加わりやすく、周辺の筋肉や靭帯に負担が集中しやすい部位です。年齢層によって受傷パターンが異なる点も報告されており、成長期の骨や関節はまだ発達途中であるため、大人とは異なる注意が必要だといえるでしょう。中高年の方の場合は、骨や関節の柔軟性そのものが若い頃と変わってきているため、久しぶりの運動では想像以上に転倒や捻挫のリスクが高まる点にも注意が必要です。

姿勢や生活習慣との関わり

普段の姿勢や体の使い方も、怪我のしやすさに影響します。例えば、片足に重心をかけ続ける癖がある方や、運動前のウォーミングアップが不十分な状態で急に全力で動く方は、着地や切り返しの瞬間に足首や膝へ余分な負担がかかりやすくなります。また、学業や仕事で長時間座る生活が続くと股関節まわりの柔軟性が落ち、とっさの動きに対応しづらくなることもあります。休日にだけまとめて運動をする方も、普段動かしていない筋肉に急な負荷がかかるため、注意が必要な生活パターンのひとつです。靴の選び方も見落とされがちなポイントで、サイズの合わないシューズや、すり減った靴底のまま練習を続けることが、足首の不安定感につながっている場合もあります。

予防のために意識していただきたいこと

大きな怪我を防ぐには、特別な道具や難しい方法は必要ありません。日々の少しの心がけが積み重なることで、怪我のリスクは確実に下がっていきます。

  • 練習や試合の前後に、足首と股関節を中心に体を軽く動かしておく
  • 練習量が急に増える時期は、休息日をいつもより多めに取る
  • 前日の疲れが残っているときは、練習の強度を一段階落とす
  • 靴のサイズや靴底のすり減り具合を定期的に見直す
  • 一度痛めた部位は、完全に痛みが引くまで無理をしない

とくに成長期のお子さんについては、部活動の顧問の先生と保護者の方が連携し、痛みを我慢させない雰囲気づくりをしていただくことも大切だと感じています。中高年の方であれば、久しぶりの運動を始める前に、簡単な体力チェックを兼ねて一度身体の状態を確認しておくことも、怪我の予防につながります。

放置した場合に考えられること

軽い捻挫や打撲だと思って様子を見ているうちに、痛みが引かないまま日常生活に戻ってしまう方がいらっしゃいます。靭帯が十分に修復されないまま運動を再開すると、関節の不安定感が残り、同じ部位を繰り返し痛める原因になりかねません。また、かばう動作が習慣化することで、痛めた場所とは別の部位に負担が移り、腰や反対側の脚に新たな不調が広がることもあります。お子さんの場合は、成長期の骨や軟骨に無理な負担がかかったまま部活動を続けてしまうことも心配な点です。※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。

当院での対応

まず、いつ・どのような動作で痛めたのかを丁寧に伺い、腫れや熱感、可動域を確認します。そのうえで、患部に無理な力がかからないよう手技で関節や周辺の筋肉の状態を整えながら、日常生活で気をつけていただきたい動作についてもお伝えしています。腫れが強い時期には安静やアイシングの目安をお伝えし、腫れが落ち着いてきた段階では、関節が固まらないよう可動域を保つための軽い運動もあわせてご案内します。お子さんの場合は保護者の方にも経過をご説明し、部活動への復帰時期について現場の先生と情報を共有しやすいよう整理してお渡しすることもあります。ご高齢の方には、転倒予防の観点から、日頃の歩き方や足元の環境についてもあわせてお話しさせていただいています。

ご相談ください

「これくらいなら大丈夫だろう」と思う怪我ほど、実は専門家による確認が役立つことがあります。捻挫や打撲、突き指など、スポーツや日常生活での怪我でお困りの際は、遠慮なく横須賀悠整骨院までご相談ください。お子さんの付き添いでのご来院や、久里浜・北久里浜近隣にお住まいの方からのご相談もお待ちしております。学校帰りや部活動の合間にも通いやすいよう、来院のタイミングについてもできる限りご相談に応じています。

おわりに

ソフトボールの外傷疫学研究からは、頭部・足関節・膝という特定の部位に負担が集中しやすいことが読み取れます。これはソフトボールに限った話ではなく、地域で体を動かすすべての方にとって共通するリスクです。小さな怪我でも早めに状態を確認し、必要なケアを行うことが、その後の生活やスポーツを続けるうえで大切になります。お子さんの部活動を見守る保護者の方にとっても、また久しぶりに運動を始められたご自身にとっても、「様子見」で済ませずに一度体の状態を確認する習慣を持っていただければと思います。当院は、地域の皆さまが安心して体を動かし続けられるよう、これからもサポートしてまいります。

参考文献

Tyler JR, et al. Epidemiology of Softball Injuries. Orthopaedic Journal of Sports Medicine. 2026. PMID: 42052228. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42052228/