慢性的な痛みは「気のせい」ではありません。身体の奥で起きている“見えない酸欠”の正体とは?
2025年04月6日

慢性的な痛みは「気のせい」ではありません。身体の奥で起きている“見えない酸欠”の正体とは?
横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置しております。【横須賀悠整骨院】です。
(横須賀南警察署やリーススタジアムと同じ通り沿いです。)
「なんとなくいつも体が重い」「マッサージを受けてもすぐに痛みが戻ってくる」「病院では異常がないと言われたけど、つらさは変わらない」
そんな慢性的な痛みに悩んでいませんか?
実はこの“慢性疼痛(まんせいとうつう)”には、見た目ではわからない身体の内側の酸欠状態や、痛み物質の過敏な働きが深く関係していることをご存知でしょうか?
今日は、当院が施術の考え方として大切にしている「組織の酸欠」や「痛みの物質」に着目しながら、慢性疼痛の正体をわかりやすく解説していきます。
「血流が悪い」とはどういうこと? 〜見えない酸欠〜
慢性の肩こりや腰痛の方の筋肉を触ってみると、多くが硬く、冷えていて、反応が鈍いという特徴があります。
これは、長時間の姿勢やストレスなどによって筋肉が緊張し、血管が圧迫されて血流が滞っている状態です。
血液は、筋肉へ酸素や栄養を届け、老廃物を回収する役割を担っています。
つまり、血流が悪い=筋肉が「酸素不足(酸欠)」に陥っているということ。
この酸欠状態が長く続くと、筋肉の細胞は「助けて!」とばかりに、ある種の化学物質を放出し始めます。
そのひとつが「ブラジキニン」と呼ばれる物質です。
実際、Pethő & Reeh(2012)は、ブラジキニンが組織の炎症や虚血状態で活性化され、末梢神経を強く刺激する発痛物質であることを詳述しています(Physiological Reviews, 92(4), 1699–1775)。
痛みの正体は「ブラジキニン」?ポリモーダル受容器との関係
ブラジキニンが働きかける相手は、神経の末端に存在する「ポリモーダル受容器」です。
この受容器は、熱・圧力・化学物質といった複数の刺激に反応する感覚センサーであり、
ブラジキニンのような化学刺激により、痛みに敏感な状態(感作)になります。
このメカニズムは、Brierley & Linden(2014)によっても説明されており、慢性的な刺激がポリモーダル受容器の感受性を高め、痛みの過敏状態を形成することが報告されています(Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology, 11(10), 611–627)。
つまり、あなたが感じている慢性の痛みは、「筋肉が硬い」や「年齢のせい」だけではなく、
身体の奥で“感覚神経が過敏になっている”という状態が長く続いていることが要因なのです。
横須賀悠整骨院のアプローチ 〜血流回復から始める慢性痛対策〜
当院では、慢性痛を単なる「筋肉の硬さ」や「姿勢の悪さ」だけで片づけず、
“なぜその状態が続いているのか”という根本原因にアプローチする施術を心がけています。
具体的には:
• 手技による筋肉の弛緩
• 関節の動きを整えるモビライゼーション
• 循環を促進する温熱・物理療法
• 生活習慣・姿勢指導による再発予防
これらを組み合わせて、滞っていた血流を取り戻し、酸欠状態を解消することで、
体の中で過剰になっていたブラジキニンなどの発痛物質の働きを落ち着かせ、痛みの「ループ」からの脱却を目指します。
なお、Kaurら(2013)は低酸素状態が神経系に与える影響について、慢性炎症や感覚異常の原因になることを報告しており、酸欠が神経過敏に与える影響は医学的にも注目されています(Annals of the New York Academy of Sciences, 1269(1), 45–57)。
こんな方はぜひ一度ご相談ください
• 湿布や痛み止めで痛みがごまかせなくなってきた
• 検査では異常がないのに、体のつらさがずっと続いている
• マッサージに行っても「すぐ戻る」
• 首・肩・腰・股関節など、広範囲にわたって違和感がある
あなたのその痛み、身体の奥からのサインかもしれません。
まずは一度、状態を確認させていただければと思います。
ご予約・ご相談はお気軽にどうぞ
横須賀悠整骨院では、初めての方でも安心してご来院いただけるよう、丁寧なカウンセリングと検査を行っております。
ご予約は電話またはネットから、お気軽にどうぞ。
■ 参考文献
• Pethő, G., & Reeh, P. W. (2012). Sensory and signaling mechanisms of bradykinin… https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/physrev.00048.2010
• Kaur, C., Sivakumar, V., & Ling, E. A. (2013). Hypoxia-induced activation of microglia… https://nyaspubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1749-6632.2012.06613.x
• Brierley, S. M., & Linden, D. R. (2014). Neuroplasticity and dysfunction… https://www.nature.com/articles/nrgastro.2014.98