慢性的な腰痛が続いているとき、手技によるケアと運動療法はどちらを選べばよいのか ─ 最新の研究知見をもとに詳しく解説します

2026年07月7日

神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。

「長年腰が痛くて、何をしても変わらない」「整骨院でのケアを試してみたいけど、どんな方法が合っているのかわからない」そのようなお悩みをお持ちの方は、意外に多くいらっしゃいます。

慢性的な腰痛は、腰や下肢の筋肉・関節・神経系がさまざまな要因によってバランスを崩しているケースが多く、一つの方法だけで解決しようとしても難しいといわれています。今回は、2025年に発表された「慢性腰痛に対する運動療法と徒手療法の比較に関するシステマティックレビュー・メタ解析」をもとに、腰痛の背景や当院での対応について詳しく解説します。

慢性的な腰痛とはどのような状態か?

一般的に「慢性腰痛」とは、3ヶ月以上にわたって続く腰部の痛みや不快感を指します。急性のぎっくり腰のような突然の強い痛みとは異なり、じわじわと続く鈍い痛み・重だるさ・こわばり感が特徴です。

腰の痛みは日本人の多くが経験するとされており、整骨院・接骨院に持ち込まれる相談の中でも非常に多い悩みのひとつです。原因も一つではなく、筋肉・靭帯・椎間板・神経など複数の組織が関わっており、その背景も人によってさまざまです。

こんな症状に心あたりはありますか?

以下のような状態は、慢性腰痛に関連してよく見られる症状のひとつです。

  • 朝起きたときに腰がこわばっていて、しばらく動かないと楽にならない
  • 長時間の座り仕事の後に腰から臀部にかけて重さや張りが出る
  • 立ち上がる瞬間や歩き始めに腰に痛みを感じる
  • 腰だけでなく、太ももの後面やふくらはぎにも違和感がある
  • 疲れが蓄積すると腰の症状が強まる傾向がある
  • 同じ体勢が続くと腰に負担を感じやすい

こうした症状は、腰椎周囲の筋肉・関節・靭帯・神経系の複合的な機能変化が関係している可能性があります。

※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。

 

慢性腰痛が起こりやすい背景とは?

慢性的な腰痛の原因は一つに絞れないことが多く、以下のような要因が複合的に絡み合っているケースが多いとされています。

体幹深部筋の機能変化

腰を安定させる深部筋(多裂筋・腹横筋など)の働きが低下すると、腰椎への負荷が集中しやすくなり、痛みや疲労感を感じやすい状態につながることがあります。

関節の動きの偏り

腰椎・骨盤・股関節の動きが制限されると、特定の部位へ負担が集中しやすくなります。股関節の動きの制限が腰への過負荷につながるケースは、整骨院でも多く見られます。

姿勢・動作習慣の影響

長時間のデスクワーク・猫背・片側重心などの習慣が、腰部への慢性的な負荷を形成することがあります。毎日の少しずつの蓄積が、長期的な症状につながっている場合があります。

痛みの慢性化と神経系の変化

痛みが長く続くと、神経系の感受性が変化し、本来は痛みに感じないような刺激でも過敏に反応しやすくなることがあります。この状態は「中枢感作」と呼ばれ、慢性腰痛の維持に関与していると考えられています。

最新の研究が示すこと ─ 手技と運動、どちらが腰痛に向いているのか?

2025年に欧州疼痛学会誌(European Journal of Pain)に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析(González-Gómez L ら、2025)では、慢性腰痛患者を対象とした6件のランダム化比較試験(RCT、合計743名)のデータを統合・分析しました。

この研究の主な目的は、「徒手療法(手技による身体へのアプローチ)」と「運動療法(体操・エクササイズなど)」を比較し、どちらが慢性腰痛に対してより有益かを検討することでした。

分析の結果、疼痛の強さ・機能障害の程度・身体機能の改善という3つの評価指標において、両者のあいだに統計的な有意差は認められませんでした。つまり、徒手療法も運動療法も、それぞれが慢性腰痛への有意義な保存的アプローチとして支持されるという結論です。

研究者たちは「患者の特性・好み・コスト・利便性などに応じた個別選択が重要」と述べており、どちらか一方が絶対的に優れているわけではなく、その人の状態に合わせた組み合わせが大切であることを示しています。

姿勢や生活習慣が腰痛に与える影響

日常生活の中で腰への負担を増やしやすいパターンとして、以下のような例が挙げられます。

長時間の同一姿勢

デスクワークや車の運転など、同じ姿勢を長時間続けると、腰の筋肉が持続的に緊張し、血流が滞りやすくなります。定期的に姿勢を変えたり、短い休憩を取ることが腰への負担軽減に関係しているとされています。

腹部への力の入れ方

腰を支えるためには、お腹の筋肉(特に深部の腹横筋)が適切に機能することが重要です。普段から腹部に力を入れる意識が薄い方は、腰椎への負荷が増しやすい傾向があります。

靴や床面の影響

硬い床面での長時間の立ち仕事や、クッション性のない靴での歩行は、腰への衝撃が蓄積されやすくなることがあります。

放置し続けるとどうなる可能性があるか?

慢性腰痛を「歳のせいだから」「安静にしていればいつか落ち着く」と考えて放置していると、以下のような変化が起きやすくなるとされています。

  • 腰を支える筋肉がさらに弱くなり、日常生活の動作が制限されていく
  • 腰を庇った姿勢や動き方が習慣化し、膝・股関節・肩など他の部位へ負担が波及する
  • 活動量の低下により、全身の体力・バランス能力・柔軟性が下がる
  • 痛みへの不安感が高まり、「動くと悪化する」という思い込みから活動をさらに制限するという悪循環が生じやすくなる

「慢性腰痛は安静が最善」という考え方は、現在の知見では必ずしも正しいとは言えず、状態に応じた適度な活動の継続と身体へのアプローチが重要とされています。

横須賀悠整骨院での対応について

当院では、慢性的な腰痛のご相談に対して、以下のような対応を行っています。

状態の確認と動きのチェック

腰の動かしやすさ・柔軟性・骨盤の傾き・体幹の安定性などを確認し、どのような状態が腰への負担につながっているのかを一緒に確認していきます。

手技によるアプローチ

腰椎・骨盤周囲の筋肉の緊張を緩和するような手技や、関節の動きを引き出すモビライゼーションなどを組み合わせて施術します。筋肉の柔軟性と関節の動きを整えることで、日常動作の負担を軽減しやすい状態を目指します。

運動指導・セルフケアのアドバイス

施術と並行して、体幹の安定性に関連するセルフエクササイズや、日常生活での姿勢・動作の改善についてのアドバイスをお伝えしています。継続的なセルフケアが、腰の状態の変化につながることが多いとされています。

こんな方はご相談ください
  • 腰の重さや痛みが3ヶ月以上続いているような症状がある方
  • 以前から施術を受けているが、なかなか変化を感じにくい方
  • デスクワークや長時間の立ち仕事で腰の疲れを感じやすい方
  • 腰の状態が気になって趣味や運動を控えるようになっている方
  • 手技と運動、どちらが自分に合っているか迷っている方
まとめ

慢性的な腰痛は、多くの方が長年にわたって悩まれている身体の状態です。2025年に発表された研究では、手技によるアプローチも運動的なアプローチも、どちらも腰の状態に変化をもたらす可能性があるとされており、患者さんの状態や生活スタイルに合わせた個別の対応が推奨されています。

横須賀悠整骨院では、状態の確認から手技・運動アドバイスまでを組み合わせながら、腰の状態に向き合っていきます。長年の腰のお悩みをお持ちの方は、まず一度ご相談ください。

参考文献

González-Gómez L, Moral-Munoz JA, Rosales-Tristancho A, Cuevas-Moreno A, Cardellat-González M, Rodríguez-Domínguez ÁJ.「Exercise Therapy Versus Manual Therapy for the Management of Pain Intensity, Disability, and Physical Function in People With Chronic Low Back Pain: A Systematic Review With Meta-Analysis and Meta-Regression.」European Journal of Pain, 2025. PubMed PMID: 40747709. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40747709/