『痛みは我慢するもの』という思い込み

2026年09月24日

神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。今日は少し毛色の違う話をさせてください。腰や肩、首の痛みが何ヶ月も続いていて、「もう歳だから」「これくらいは我慢するしかない」と、ご自身に言い聞かせている方はいらっしゃいませんか。実はその「思い込み」そのものが、痛みの長引き方に関わっているという報告があります。

『痛みは我慢するもの』という思い込み

慢性的な痛みを扱ったナラティブレビューによると、痛みをどう捉え、どう対処しようとするかという「痛みへの向き合い方」が、実際の回復の道筋に影響することが整理されています。痛みそのものの強さだけでなく、「これは危険な信号だ」「動いたら壊れる」といった受け止め方が、生活の質を大きく左右するというのです。当院にいらっしゃる患者さまの中にも、レントゲンなどの所見の重さ以上に、痛みへの不安や緊張が強く出ている方をよく見かけます。同じくらいの痛みの強さでも、それをどう受け止めるかによって、日常での動き方がまったく違ってくるのです。

痛みという感覚は、単純に「壊れた部分の大きさ」だけで決まるものではありません。不安や睡眠不足、疲労の蓄積など、体調やこころの状態によっても感じ方は変わります。この文献では、そうした痛みの受け止め方の違いを踏まえたうえで、患者さまお一人おひとりの状況に合わせた評価や関わり方を検討することの大切さが述べられています。

こんな声、よく聞きます

来院される方からは、次のようなお話をよく伺います。

  • 朝、布団から起き上がる瞬間に腰の奥がこわばって、しばらく動けない
  • 買い物袋を持ち上げた拍子に痛みが走り、それ以来重い荷物を避けている
  • 「また痛くなるのでは」と思うと、外出そのものが億劫になる
  • 寝返りを打つたびに目が覚めて、睡眠の質が落ちている
  • 天気が崩れる前になると、痛みが強くなる気がして憂うつになる
  • 家族や友人に痛みのことを話しても分かってもらえず、一人で抱え込んでしまう

これらは決して珍しい訴えではありません。ただ、症状の背景を丁寧に確認していくと、痛みの強さ以上に「動くのが怖い」という気持ちが、日常の動作を狭めてしまっているケースが少なくないのです。

「動かさない」が招く、もうひとつの問題

痛みが出たとき、無理をせず安静にすることは間違いではありません。しかし、必要以上に体を動かさない期間が長引くと、筋力や柔軟性が落ち、関節の動きも硬くなっていきます。すると、以前は問題なくできていた動作でも痛みを感じやすくなり、「やっぱり動くと痛い」という経験が積み重なって、さらに体を動かさなくなる。このような悪循環に入ってしまう方を、臨床の現場でも度々見てきました。

今回参照した文献でも、痛みに対する捉え方や対処の仕方を見直すことが、臨床の評価やケアの設計において重要な視点になると指摘されています。痛みを「敵」として遠ざけるのではなく、どこまでなら無理なく動けるのかを見極めていく姿勢が、回復の助けになるという考え方です。逆に、「痛い部分は絶対に動かしてはいけない」と思い込みすぎると、かえって周りの筋肉が硬くなり、痛みを感じる範囲が広がってしまうこともあります。

姿勢や生活の中の小さなクセ

長引く痛みを抱える方の生活を伺うと、痛い場所をかばうあまり、体の使い方が偏っていることがよくあります。例えば、腰をかばって片方の脚に重心をかけ続けたり、痛む肩をすくめたまま台所仕事を続けたり。こうした姿勢のクセは、本人には自覚しづらいものですが、周囲の筋肉に余計な負担をかけ、別の部位の不調につながることもあります。

デスクワークの合間に肩をすくめていないか、家事の途中で腰をひねる姿勢が増えていないか、庭仕事やペットの世話でしゃがむ動作を避けていないか、一度ご自身の一日の動きを振り返ってみてください。小さな回避行動の積み重ねが、動ける範囲をじわじわと狭めていることがあります。「痛いから避ける」を続けるほど、その動作自体への苦手意識が強くなり、いざ動かそうとしたときに余計な力みが入ってしまうことも少なくありません。

そのままにしておくと

痛みへの不安から動きを制限する状態が長く続くと、体力や筋力の低下だけでなく、外出や趣味の機会が減り、人との関わりも少なくなって、気持ちの面でも落ち込みやすくなることがあります。動く量が減ることで血の巡りや筋肉のコンディションも落ち、かえって痛みを感じやすい状態が続いてしまう、という悪循環に陥る方も見受けられます。

※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もありますので、痛みが急に強まる、手足にしびれが出る、発熱を伴う、夜も眠れないほどの痛みがあるといった場合は、遠慮なくご相談ください。

当院でまず確認すること

横須賀悠整骨院では、まず問診で痛みの経過やご自宅・お仕事での困りごとを丁寧にお聞きします。そのうえで、実際にどの動作でどこまで動かせるか、どの角度で痛みが強くなるかを一緒に確認していきます。関節の可動域や筋肉の緊張具合を手技で確認しながら、無理のない範囲で「これなら動かしても大丈夫」と感じられる動きを一緒に探っていきます。

施術としては、緊張した筋肉へのアプローチや関節の動きを整える手技を行い、あわせてご自宅でできる軽いストレッチや、痛みが強くない日から少しずつ活動量を増やしていくペース配分についてもお伝えしています。急に頑張りすぎず、かといって動かなさすぎず、その中間を一緒に探ることを大切にしています。また、日々の動作でどんな場面に不安を感じやすいかもお聞きしながら、その場面を想定した練習を取り入れることもあります。

例えば「階段の上り下りが怖い」という方には、まず手すりを使いながら数段だけ試していただき、痛みの出方を確認しながら段数を増やしていく、といった段階的な進め方をご提案します。一足飛びに元通りの生活に戻そうとするのではなく、小さな成功体験を積み重ねていくことが、体だけでなく気持ちの面でも回復の後押しになると感じています。

ご自宅で試していただきたいこと

診察室の中だけでなく、日々の暮らしの中でできる工夫もお伝えしています。

  • 「今日はここまで」を決めておく:痛みがゼロになるのを待つのではなく、掃除機をかける範囲や散歩の距離など、無理のない範囲をあらかじめ決めておくと、動きすぎによる痛みの再燃を防ぎやすくなります。
  • 深呼吸で肩や首の力みをほどく:痛みへの不安が強いとき、無意識に肩や首に力が入っていることがあります。椅子に座ったまま肩をすとんと落とし、ゆっくり息を吐く時間を一日数回つくってみてください。
  • 痛みの日記を三日だけつけてみる:痛みが強い時間帯や動作を記録すると、「何がきっかけになりやすいか」が見えてきます。次の来院時に持ってきていただければ、施術の組み立てにも役立ちます。

こうした小さな積み重ねが、痛みへの過度な警戒心をゆるめ、体を動かすことへの安心感につながっていきます。

一人で抱え込まないでください

痛みが長引くと、「この痛みとずっと付き合っていくしかないのか」と孤独に感じてしまうこともあるかもしれません。ですが、痛みへの向き合い方や体の使い方を少し見直すだけで、暮らしやすさが変わることは十分にあります。久里浜・北久里浜周辺にお住まいの方で、長引く腰や肩、首の痛みにお悩みでしたら、まずは今の状態をお聞かせください。ご年配の方はもちろん、家事や仕事で体を酷使しがちな世代の方からのご相談もお待ちしております。

最後に

痛みは「我慢比べ」ではありません。痛みをどう受け止め、どう体と向き合っていくかによって、その後の経過は変わっていきます。ご自身の体の声に耳を傾けながら、無理のない範囲で動きを取り戻していくお手伝いを、横須賀悠整骨院はさせていただきます。

参考文献

Pugh C, et al. “Perspectives on Pain: A Narrative Review of Pain Beliefs, Coping, and Clinical Implications.” Journal of Pain Research, 2026. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42051754/