慢性腰痛と歩行に関する研究

2025年09月1日

慢性腰痛と歩行に関する研究

神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間にございます。横須賀悠整骨院です。(佐原インターから車ですぐです!)

本日は長く続く腰痛と歩行の関係性を論文を引用しつつ簡単にご説明致します。

Van Emmerikら(2005)の研究では、慢性的な腰痛を持つ19名と、腰痛のない健康な14名を対象に歩行動作を分析しました(Van Emmerik RE et al., 2005, PMID: 15864670)。
トレッドミル上で速度を変えながら歩いてもらい、体幹(胸郭・腰部・骨盤)の協調性や、腰背部の筋肉の働きを計測したのです。

その結果、慢性腰痛の方は以下のような特徴を示しました。
• 胸郭と骨盤の動きが協調しにくい
健康な人では歩行速度が上がると、胸と骨盤の動きが「逆方向にタイミングを合わせる」ようになります。しかし慢性腰痛の方では、この切り替えがスムーズに起こらず、動きが硬直的でした。
• 腰部と骨盤が一緒に動きすぎる傾向
腰と骨盤の動きが同調しすぎるため、歩行時の柔軟なバランス調整がしづらくなります。
• 前額面(横揺れ)の動きが不安定
胸の動きが不規則になりやすく、歩行のリズムが乱れやすいことが分かりました。
• 背筋の活動がばらつく
筋肉のオン・オフのタイミングが安定せず、動きのパターンも複雑で、健康な方より効率の悪い使い方をしている傾向がありました。

つまり、慢性腰痛は単なる「痛み」だけでなく、歩行そのものの運動制御に影響を与えていることが分かったのです。

 

なぜ歩行に影響が出るのか?

「腰が痛いと歩き方が変わる」というのは、感覚的には理解できます。ですが、研究が示しているのはもっと深い部分――神経や筋肉の使い方そのものが変化しているということです。

人間の歩行は、骨盤と胸郭のリズムがうまく連動することで安定します。ところが慢性腰痛ではこのリズムが乱れるため、身体は「ぎこちない歩行」や「余計な筋緊張」でバランスをとろうとします。その結果、さらに疲労や痛みが増すという悪循環に陥る可能性があります。

 

臨床へのヒント

 

この研究は、整骨院での施術や運動指導にも重要な示唆を与えてくれます。
• 痛みのある部位をただ緩めるだけでは不十分
背中や腰の筋肉をマッサージやストレッチでほぐすだけでは、根本的な歩行の協調性の改善にはつながらないことが考えられます。
• 体幹と骨盤の協調を取り戻すトレーニングが必要
歩行時の胸郭と骨盤の連動性を意識したエクササイズや、体幹の安定性を高める運動が重要になります。
• 「動きの質」に着目したアプローチ
単に筋力を強くするのではなく、動きのリズムやタイミングを改善するような練習が、再発予防や日常生活の快適さにつながる可能性があります。

横須賀悠整骨院でのサポート

当院では、慢性腰痛に対して「痛みのケア」とともに「体の使い方の改善」に重点を置いています。
筋肉や関節を整える施術に加え、患者さま一人ひとりの歩行や姿勢の特徴を見極め、体幹の協調性を高めるための運動指導を取り入れています。

また、日常生活での姿勢や動き方のクセも腰痛に大きく関わります。そのため、セルフケアや自宅でできる簡単な運動もお伝えし、再発しにくい身体づくりをサポートしています。

まとめ

 

• 慢性腰痛は歩行の仕方そのものに影響を与える。
• 胸郭と骨盤の協調が崩れ、腰や背中の筋肉の働きが不安定になる。
• これは痛みや心理的な要因に依存せず、運動制御そのものの変化であると研究で示されている。
• 整骨院での施術では、体幹の協調性を取り戻すアプローチが大切。

慢性腰痛でお困りの方は、「痛みをとる」だけでなく「歩きやすい体をつくる」ことを意識してみましょう。
もし気になる症状がありましたら、ぜひ一度横須賀悠整骨院へご相談ください。

参考文献

Van Emmerik RE, Remelius JG, Hodges PW, et al. Effects of chronic low back pain on trunk coordination and back muscle activity during walking: changes in motor control. Clin Biomech (Bristol, Avon). 2005 May;20(5):451-60. PMID: 15864670.