神経筋トレーニングが関節アライメントに与える影響とは?〜横須賀悠整骨院より〜

2025年08月28日

 

神経筋トレーニングが関節アライメントに与える影響とは?〜横須賀悠整骨院より〜

神奈川県横須賀市佐原の接骨院、横須賀悠整骨院です。
(横須賀リーフスタジアムや横須賀南警察署の並びにございます。)

日常生活やスポーツ活動において、「膝のねじれ」や「姿勢の崩れ」を感じる方は少なくありません。こうした関節のアライメント(骨や関節の位置関係)の乱れは、身体の動かし方のクセや筋肉の働き方の不均衡から生じることがあります。特に膝関節は構造的に不安定な部位であり、アライメントが崩れることで負担が集中しやすい場所です。

このような背景から、「神経筋トレーニング(Neuromuscular Training:NMT)」が関節アライメントにどのような影響を与えるのかについて、研究が進められています。近年、ヨーロッパのスポーツ科学雑誌 European Journal of Sport Science に掲載された研究(Gheitasi et al., 2024)では、特に女性アスリートを対象に神経筋トレーニングを行った結果、膝関節の動き方や筋肉の協調性が改善することが示されました。

 

研究の概要

 

本研究では、膝関節の「内反角度(いわゆるニーイン)」が大きい女性アスリート28名が対象となりました。膝の内反角度が強い状態は、スポーツ中に膝へ過剰なストレスをかける要因とされ、傷害リスクの高さとも関連すると言われています。

参加者は神経筋トレーニング群と対照群に分けられ、前者は8週間にわたり特定のトレーニングプログラムを実施しました。その結果、以下のような変化が確認されました。
        •       大臀筋と大腿筋膜張筋、中殿筋と内転筋など、股関節周囲の筋肉が協調して働く割合が増加
        •       脛の前側(前脛骨筋)とふくらはぎの筋肉(腓腹筋)との協調性も改善
        •       単脚ジャンプ動作における膝の内反角度が平均で約6度減少

つまり、筋肉の働き方が改善されることで、膝関節の動き方も安定方向へと変化したという結果が得られたのです。

 

 

神経筋トレーニングとは?

神経筋トレーニング(NMT)は、単なる筋力強化運動とは異なります。特徴は以下の通りです。
        1.      神経と筋肉の協調性を高める
どのタイミングでどの筋肉を使うかを体に学習させることが目的です。
        2.      バランスや反応性を重視する
片脚立ちや不安定な姿勢での運動を通じ、身体の使い方を洗練させます。
        3.      フィードバックを取り入れる
鏡やセンサーを活用し、自分の姿勢や動きを確認しながら修正する方法も効果的です。

筋力の「大きさ」だけでなく、筋肉を使う「順番」や「タイミング」を整えることが、関節アライメント改善につながる点が重要です。

研究が示す臨床的な意義

今回の研究はアスリートを対象としたものでしたが、日常生活を送る一般の方にも参考になる示唆が含まれています。
        1.      関節の安定性向上
股関節や足関節周囲の筋が適切に働くことで、膝への不要なストレスが軽減される可能性があります。
        2.      動作の効率化
膝が内側に入りにくくなることで、歩行や階段昇降などの動作がスムーズになります。
        3.      不調の予防につながる可能性
長期的に見れば、膝や腰などの関節への負担が減り、不調や障害の予防に役立つと考えられます。

ただし研究の著者らも指摘しているように、筋肉の共収縮(複数の筋が同時に働く状態)が増えると、関節にかかる反作用力も大きくなるため、長期的には別のリスクに繋がる可能性もあるとのことです。したがって、「適度な共収縮」を維持することが大切であり、継続的な調整や専門家の指導の下で行うことが望ましいとされています。

整骨院でできるサポート

横須賀悠整骨院では、姿勢や動作のクセを評価し、個々の身体の状態に合わせた運動指導やセルフケアを提案しています。例えば、
        •       片脚立ちでの骨盤や膝の位置を確認しながら行うバランストレーニング
        •       股関節の安定性を高める中殿筋や大臀筋のアクティベーションエクササイズ
        •       足部や足趾の機能を活かした全身連動運動

などを取り入れることで、筋肉のバランスと神経系の協調性を整え、関節のアライメント改善をサポートします。

 

まとめ

 

神経筋トレーニングは、筋肉の強さそのものを高めるだけではなく、「どう使うか」を最適化するアプローチです。今回紹介した研究(Gheitasi et al., 2024)は、特に膝関節において筋肉の共収縮が改善され、内反角度の減少につながることを示しました。

これは、スポーツに取り組む方だけでなく、日常生活での膝や腰の負担を減らしたい方にとっても有益な知見です。関節アライメントを整えることは、身体全体の動きの質を高め、将来的な不調の予防につながる可能性があります。

横須賀悠整骨院では、こうした最新の研究も踏まえながら、患者さま一人ひとりに合わせたケアをご提案しています。身体のバランスや膝の動きに不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

参考文献

Gheitasi M, Norasteh AA, Daneshjoo A, Shakoor E, Abbasi A. Neuromuscular training improves muscle co-activation and knee kinematics in female athletes with high risk of anterior cruciate ligament injury. Eur J Sport Sci. 2024;24(1):95-104. doi:10.1080/17461391.2023.2181570