「腰の付け根やお尻のあたりが痛い」その不調は仙腸関節が関係しているかもしれません ─ 手技アプローチの最新研究からご説明します
2026年05月15日
神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。
「腰の奥が重だるくて、何年も続いている」「お尻の上あたり、ちょうどベルトが当たる場所が痛む」「立ち上がるたびに腰の付け根にズキッとした痛みが走る」──こういった悩みをお持ちの方のご来院が、当院でも少なくありません。
腰痛と一口に言っても、その原因や部位はさまざまです。整形外科でレントゲンを撮っても特に異常がないと言われた、という方もいるかもしれません。腰まわりの不調の原因として、今回ご紹介したいのが「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」という部位です。
本記事では、仙腸関節とはどのような部位か、不調が起きるとどのような症状が出やすいのか、そして徒手療法(手技)に関する最新の研究が示していることについて、詳しく解説します。

仙腸関節とはどんな部位ですか?
仙腸関節は、背骨の最下部に位置する「仙骨(せんこつ)」と、骨盤の後ろ側にある左右の「腸骨(ちょうこつ)」が接している部分にある関節です。ちょうどベルトを締めたときの後ろ側、背骨の延長線上に左右一つずつ存在しています。
この関節は、上半身の体重を下半身へと伝える重要な部位であり、立つ・歩く・座るといった日常的な動作において、常に力を受け続けています。可動域は非常に小さく、一般的に「ほとんど動かない」とされる関節ですが、微細な衝撃吸収や姿勢の安定に深く関わっています。
この部位の機能に変化が生じたり、周囲の筋肉・靭帯に過剰な緊張が加わったりすることで、腰やお尻まわりにさまざまな不具合が生じる可能性があります。慢性的な腰部・殿部の不調を抱える方の中に、仙腸関節の問題が一因となっているケースが相当数あると考えられています。
こんな症状はありませんか?
仙腸関節に関連した不調で見られやすい症状の特徴を以下にまとめます。
- 骨盤後部(お尻の上あたり)に感じる重だるさや鈍い痛み
- 左右のどちらか一方に偏った腰〜殿部の痛み
- 朝起きたとき、腰や股関節まわりが固まっているように感じる
- 車の乗り降りや椅子からの立ち上がりのときに腰の付け根が痛む
- 長時間の座位や立位の後に腰〜お尻にかけて不快感が出る
- 歩き始めの数歩がつらく、少し歩くと軽くなるような感覚がある
- 仰向けで寝るとき、特定の向きにすると腰に痛みが出る
- 片足立ちや段差の昇降のときにバランスが取りにくい
これらの症状が必ずしも仙腸関節の問題を意味するわけではありませんが、慢性的な腰部・殿部の不快感を抱える方によく見られるパターンです。「腰痛」とひとくくりにされがちですが、こうした特徴的な出方をする場合、仙腸関節まわりへの確認が重要となる可能性があります。
原因として考えられる状態(論文知見も含めて)
仙腸関節に関連した不調が生じやすい背景には、さまざまな要因が絡み合っていることが多いとされています。
日常的な姿勢・動作の偏り
片側の足に重心をかけて立つ癖、長時間のデスクワークで骨盤が後傾した姿勢が続くことで、仙腸関節に非対称な負荷がかかりやすくなります。
股関節や体幹筋の機能低下
股関節の柔軟性が低下したり、体幹まわりの筋肉がうまく機能しなくなると、仙腸関節への代償的な負担が増すとされています。
出産や体重変動による骨盤まわりの変化
出産後は骨盤まわりの靭帯の弛緩や筋肉バランスの変化により、仙腸関節への負担が増すことがあります。また、急激な体重変化も骨盤まわりのバランスに影響することがあります。
最新研究が示すこと
2024年に発表されたシステマティックレビューとメタ解析(Trager RJら、Journal of Manual & Manipulative Therapy)では、仙腸関節痛症候群(SIJPS)への徒手療法の可能性について16件のランダム化比較試験を対象に分析が行われました。
この研究では、徒手療法が仙腸関節痛に関連した機能障害(日常動作の制限)に対して、ある程度の変化をもたらす可能性が報告されています。また、徒手療法単独よりも運動療法と組み合わせることで、より安定した経過をたどりやすいという傾向も示されました。これは、手技によるアプローチを行いながら、同時に体の動かし方や筋肉の使い方を見直していくことの重要性を示唆するものと言えます。

姿勢や生活習慣との関係
仙腸関節は、日々の姿勢や動作の積み重ねから影響を受けやすい部位です。
座り方の問題
椅子に浅く腰かけて骨盤が後ろに傾いた状態や、脚を組んで座る習慣は、骨盤まわりの筋肉・靭帯に非対称な負荷をかけ続けることになります。
立ち方のクセ
片足に体重をかけて立つことが多い方は、骨盤の高さが左右でずれた状態が慢性化しやすく、仙腸関節に非対称な力がかかりやすくなります。
運動不足と柔軟性の低下
日常的に体を動かす機会が少ない方や、股関節・腰まわりのストレッチを行っていない方は、仙腸関節まわりの筋肉が硬くなりやすい状態になる可能性があります。
睡眠時の姿勢
柔らかすぎるマットレスや腰をサポートしない寝具が続くと、睡眠中も骨盤・腰まわりに余分な負担がかかることがあります。
放置するとどうなりやすいか
仙腸関節まわりの不調をそのままにしておくと、以下のような状態につながりやすいと言われています。
- 痛みをかばうことで歩き方や姿勢に偏りが生じ、膝・足首・股関節といった他の関節への負担が増す可能性がある
- 骨盤まわりの筋肉が慢性的に緊張した状態が続き、腰全体の動きにくさが広がる可能性がある
- 痛みへの不安から日常の活動量が低下し、筋力・体力の低下につながることがある
- 睡眠や日常生活の質が低下し、全身的な疲れやすさを感じやすくなることがある
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。腰部や殿部の強い痛み、下肢へのしびれや脱力感を伴う場合は、専門医への相談も視野に入れてください。
横須賀悠整骨院での対応について
当院では、仙腸関節まわりを含む腰部・殿部の不調でご来院の方に対して、以下のような対応を行っています。
状態の丁寧な確認
問診では、痛みの場所・強さ・いつ・どんなときに出るかを丁寧に伺います。腰部の不調には多くの要因が関係している可能性がありますので、焦らず状態を把握することを大切にしています。
姿勢・動きのチェック
立位・座位・歩行時の姿勢、股関節や腰椎の動き(可動域)を確認します。どの動作でどのような変化が見られるかを把握することで、より適切な対応の参考にします。
手技によるアプローチ
骨盤・仙腸関節まわり、股関節周囲の筋肉の緊張をやわらげ、関節の動きを促すような手技を行います。強い力は使わず、身体の状態に合わせたやわらかいアプローチを心がけています。
日常生活へのアドバイス
座り方・立ち方の見直し、自宅でできる簡単なストレッチや体操についても、日常に取り入れやすい形でお伝えします。

こんな方は一度ご相談ください
以下のような状況をお持ちの方に、ぜひ一度ご来院いただければと思います。
- 腰の奥やお尻のあたりが長期間にわたって重だるい
- 立ち上がりや歩き始めに腰の付け根に痛みが出る
- 産後から腰の調子が悪いままになっている
- 整形外科でレントゲンを撮ったが特に異常なしと言われた
- 腰のケアを受けても、しばらくすると元に戻ってしまう症状が続いている
- 腰・殿部の不調の原因がよくわからず、どこに相談すればよいか迷っている
「長年の腰の不調」でお悩みの方、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に状態を確認しながら、身体に合ったアプローチを検討していきます。
まとめ
仙腸関節は、慢性的な腰部・殿部の不調の一因になりうる部位として、近年その重要性が再認識されています。2024年のシステマティックレビューでは、仙腸関節痛に対する徒手療法の可能性が示されるとともに、運動療法との組み合わせの重要性が改めて強調されました。
手技によるアプローチと日常的な動き・姿勢の改善を組み合わせることが、仙腸関節まわりの不調にとって重要な方向性と言えそうです。
「腰の付け根のあたりが長年気になっている」「どこに相談すればよいかわからない」という方、ぜひ横須賀悠整骨院へお越しください。丁寧な状態の確認と、お身体の状態に合わせたアプローチで対応いたします。
参考文献
Trager RJ, Baumann AN, Rogers H, Tidd J, Orellana K, Preston G, Baldwin K. “Efficacy of manual therapy for sacroiliac joint pain syndrome: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.” Journal of Manual & Manipulative Therapy. 2024.





