肩の痛み解消への道筋 インピンジメント症候群解説

2024年06月7日

1. インピンジメント症候群とは何か

インピンジメント症候群は肩の関節部分で、筋肉や腱、滑液包などの組織が挟まれてしまうことにより引き起こされる痛みです。関節の過度な使用や一定の姿勢の継続が原因となりがちであり、特に上肢の活動が多い人に見られることが多いです。

1.1. 症状と評価の基礎知識

インピンジメント症候群の主な症状は、肩の痛みや動かしにくさやつまり感にあります。特に腕を頭上に挙げるときに痛むのが特徴的であり、夜間にも痛みが悪化することがあります。評価は、施術者が行う検査や、エコーなどの画像診断によって確定されることが多いのです。これらの評価を組み合わせて、症状の原因となっている肩周辺の組織の状態を詳しく調べることが可能です。

1.2. 原因となる活動や姿勢

インピンジメント症候群は、特定の姿勢や動作を繰り返すことによって肩関節の位置や使い方の偏りが発生して引き起こされることが多いです。たとえば、長時間のパソコン作業や上肢を使ったスポーツ、あるいは肩を上に挙げ続ける作業などが原因の1つとして挙げられます。これらの活動は、肩の筋肉や腱に常に圧力をかけ、組織が挟まれる原因となり得るのです。

 

2.1. 日常生活での姿勢の重要性

私たちは意識しない間に多くの時間を過ごしている姿勢が、健康に大きく影響しています。特に、長時間のデスクワークや立ち仕事は、背骨や首への負担が大きくなりがちです。正しい姿勢を保つことは、これらの負担を軽減し、筋肉のバランスを整えることに役立ちます。姿勢が良いことで血流が改善し、疲労回復にもつながりますし、前述した肩関節の位置と使い方の癖の予防にも役立ちます。日常生活で意識できる姿勢の改善としては、背筋を伸ばす、肩の力を抜く、パソコンの位置を見直す、適度に休憩を取るなどがあります。小さな工夫から始めて、身体の不調を未然に防ぐことが大切です。

2.2. ストレッチと筋トレによる予防

予防の段階ではストレッチや筋力トレーニングは有効であると言えます。日々の生活の中でストレッチや筋トレを取り入れることは、体の柔軟性を保ち、筋肉のバランスを整えるために非常に役立ちます。ストレッチは、筋肉の緊張を和らげ、可動域を広げることで怪我を防ぎます。また、筋トレは、筋力を強化し、関節や骨を守る働きがあります。筋トレには、大きなウェイトを用いる必要はなく、自体重を使ったエクササイズでも十分な効果が得られます。日常的にこれらの活動を組み込むことで、病気のリスクを減らすことが可能ですし、ストレス発散にも役立ちます。まずは無理のない範囲から始め、徐々に習慣化していきましょう。

お勧めの簡単なエクササイズを2つ記します。
①シュラッグ  立った状態で肩を真上にすくめます。10秒キープして力を抜きます。この時、背中の後ろで肩甲骨が酔った状態をキープしながら行えればよりベターです。
②コブラ    あぐらをかいて座ります。背中の肩甲骨を内側に寄せて肩を上にすくめます。そのままできる範囲で肩関節を外巻きにしていき10秒キープします。

3. 痛み時の対処法

痛みを感じたときは一度運動やストレッチを自己判断で行うのはストップしてください。
まずはその痛みの原因を理解することが大切です。軽度の痛みなら、安静にして体を休めたり、適度な温度の湿布をすることでも軽減することがありますが、ストレッチや運動で悪化してしまうケースも少なくありません。
インピンジメント症候群は関節の位置の偏りが起きているケースがあるので、このケースではここが改善されていない限りは運動やストレッチは負荷の一極集中を作りやすいのは想像しやすいかと思います。まずは横須賀悠整骨院はじめ専門家の評価を受けることが大切です。

 

4. 放置のリスク

<弊社ホームページの肩関節周囲炎のページでも説明をしていますが、インピンジメント症候群は四十肩、五十肩の前段階であることも少なくありません。
四十肩、五十肩は発生してしまうと改善まで長ければ数ヶ月から数年かかる例もあります。インピンジメント症候群の段階で対処できれば適切な施術を適切な頻度で行い、日常の注意点を守れれば通常長くても1から2ヶ月で痛みは軽減します。施術にかかる費用や時間、労力を比較しても早い段階で施術を開始するほうがコストパフォーマンスにも優れていると言えるでしょう。
また、慢性的な症状に移行して年月が経過すると筋肉や関節が変性してしまうリスクも存在します。こうなってしまうと症状の改善にかかる時間は大幅にのび、かつ変性は完全には元の組織に戻ることはないので気質的な問題は残存してしまいます。

以上踏まえても軽度のつまり感や痛みであっても軽視せず早い段階でご相談いただくのが推奨されます。