腰の椎間板ヘルニアで足がしびれるとき、見直したい3つの生活動作
2026年09月16日
神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。
当院にはここ最近、「腰の痛みよりも、太ももや脚のしびれの方が気になる」というご相談で来院される方が増えています。デスクワークの合間に脚がジンジンする、正座から立ち上がるときに片方の脚だけ違和感が残る——そうした声を伺うたびに、腰椎椎間板ヘルニアによる神経根症状の可能性を念頭に置いて、動きや姿勢を確認するようにしています。今回は、この神経根症状に関する最近の研究をご紹介しながら、日常生活で気をつけたいポイントをお伝えします。
腰椎椎間板ヘルニアと神経根症状のしくみ
背骨は骨だけでなく、椎骨と椎骨の間にある椎間板というクッション材が積み重なってできています。この椎間板の中身が何らかの理由で外側にはみ出し、近くを通る神経の根元(神経根)を圧迫すると、腰そのものよりも、その神経が支配している脚やお尻、足先に痛みやしびれが伝わることがあります。医学的には坐骨神経痛と呼ばれる状態に近く、腰の痛みが目立たないまま脚の症状だけが強く出るケースも少なくありません。
年齢を重ねるにつれて椎間板の水分が減り、弾力が落ちていくことも背景のひとつとされています。とくに40代から60代の方では、腰をひねる動作や、中腰での作業がきっかけとなって症状が現れることが多いように感じます。一方で、長時間座りっぱなしの仕事をしている若い世代でも、同じような神経根症状を訴える方は珍しくありません。
実際にご相談いただく内容には、次のようなものがあります。
- 長時間座った後、太ももの裏から膝の下にかけてしびれが強まる
- 前かがみになったり、くしゃみをしたりすると脚に電気が走るような感覚がある
- 片脚だけ力が入りにくく、つま先立ちがしづらい
- 靴下を履くときに脚を上げる動作がつらい
- 夜、横になっても脚のしびれで寝つきが悪い
- 長く歩くと途中で脚が重くなり、少し休むと楽になる

研究にみる、徒手療法という選択肢
2026年にMedicina誌に発表されたLytrasらの無作為化比較試験では、腰椎椎間板ヘルニアによる神経根症状を持つ患者を対象に、徒手療法のみを行うグループと、徒手療法に加えて機能的磁気刺激という物理的な刺激を組み合わせるグループを比較しています。評価の項目は、痛みの強さ、神経に特有のピリピリとした痛み(神経障害性疼痛)、神経の過敏さ(神経の機械的な感受性)、そして日常動作の制限の度合いという4つでした。
結果として両グループとも短期間で痛みの強さや機能面に変化がみられましたが、徒手療法に別の刺激を組み合わせたグループのほうが、これら4つの項目すべてにおいて、より大きな改善が報告されています。この結果は、神経根への負担を丁寧に評価しながら関節や筋肉に働きかける徒手的なアプローチが、症状の変化に関わりうることを示す一例として注目されています。当院では機能的磁気刺激の機器は扱っておりませんが、神経の通り道を意識した動きの確認や手技は、この研究の土台となった徒手療法の考え方と重なる部分が多いと捉えています。ひとつの研究結果がすべての方に当てはまるわけではありませんが、手技によるアプローチが検討に値する選択肢のひとつであることは、こうしたデータからもうかがえます。
姿勢や生活動作との関わり
神経根症状は、姿勢や日常の動作のクセと切り離せません。たとえば、長時間のデスクワークで骨盤が後ろに倒れた姿勢を取り続けると、椎間板の後方に圧力がかかりやすくなります。また、重いものを腰だけで持ち上げる動作を繰り返している方や、車の運転で同じ姿勢を長く保つ方にも、同様の負担が積み重なりやすい傾向があります。
当院に来られたある60代の方は、お孫さんを抱っこする際に腰を丸めて持ち上げる習慣があり、その動作の後にしびれが強まっていたことがわかりました。抱き上げる前に一度膝を深く曲げてから持ち上げるよう動作の順番を変えていただいたところ、しびれの出方に変化が見られました。また別の40代の方は、営業の仕事で長時間車を運転する習慣があり、座面の高さや背もたれの角度を見直すことで、運転後の脚のだるさが軽くなったという声もいただいています。動作や環境を少し変えるだけでも、負担のかかり方は変わってきます。

そのままにしておくとどうなるか
しびれを「そのうち治まるだろう」とそのままにしてしまうと、痛みをかばう歩き方や座り方が癖になり、腰以外の関節や筋肉にも負担が広がることがあります。かばう姿勢が続くことで、反対側の股関節や膝に新たな痛みが生じるケースも見受けられます。また、しびれの範囲が広がったり、脚に力が入りにくい感覚が続いたりする場合は、神経そのものへの圧迫が強い可能性も考えられます。
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もありますので、痛みやしびれが急に強くなった場合や、排尿・排便に違和感が出てきた場合は、遠慮なくお伝えください。
横須賀悠整骨院でおこなっていること
当院では、まず問診で症状が出るタイミングや姿勢のクセを詳しく伺い、股関節や骨盤まわりの動き、太もも裏や膝下の感覚を確認します。そのうえで、腰椎まわりの筋肉の緊張をやわらげる手技や、神経の通り道への負担を減らすための骨盤・股関節へのアプローチを行っています。
あわせて、日常生活の中でしびれが出やすい動作を一緒に見直し、椅子の座り方や立ち上がり方、荷物の持ち上げ方など、無理のない範囲でできる工夫をお伝えしています。ご自宅で無理なく続けられるストレッチや、股関節まわりを動かす簡単な運動をご提案することもあります。継続してご来院いただく中で、少しずつ動作の幅が広がっていく方も多くいらっしゃいます。
来院される方の傾向
当院にこの症状でいらっしゃる方は、40代から70代の方が中心ですが、20代・30代の方も決して少なくありません。共通しているのは、座る時間が長い生活と、腰をかばう意識の薄さです。若い方の場合は「まだ若いから大丈夫」と無理を続けてしまい、症状が長引いてから来院されるケースもあります。年代を問わず、しびれの感じ方に大きな変化があったときは、早めに相談していただくことをおすすめしています。

ご自宅でできる工夫
来院いただく間隔をあけずに毎日できることとして、股関節まわりをゆっくり動かすストレッチや、痛みの出ない範囲でのウォーキングをお伝えすることがあります。座りっぱなしを避けるために、1時間に一度は立ち上がって数歩歩くだけでも、椎間板にかかる圧力の変化につながると言われています。反り腰や猫背など、ご自身の姿勢のクセに気づくことも、日々の負担を減らす第一歩になります。また、就寝時に膝の下にクッションを挟むと、腰まわりの筋肉の緊張がやわらぎ、朝のこわばりが軽くなったと話される方もいらっしゃいます。無理にストレッチを頑張りすぎず、痛みやしびれが強まるようであれば中止し、次回の来院時に様子をお伝えいただければと思います。
ご相談にあたって
「これくらいのしびれで来ていいのか」と迷われる方も多いのですが、しびれの感じ方や範囲は人によってさまざまです。ご自身の感覚を言葉にして伝えていただくだけでも、状態を把握する手がかりになります。いつから、どんな動作のときに、どのあたりにしびれが出るのか、簡単なメモを持ってきていただくのもおすすめです。
最後に
腰椎椎間板ヘルニアによる神経根症状は、腰の痛みよりも脚のしびれが目立つことがあり、見過ごされやすい状態でもあります。研究の積み重ねからも、徒手的なアプローチが症状の変化と関わりうることが少しずつ示されてきています。気になる症状が続いている方は、一度ご自身の姿勢や生活動作を振り返ってみてください。
参考文献
Lytras D, et al.「Short-Term Effects of Manual Therapy Combined with Functional Magnetic Stimulation in Individuals with Lumbar Disk Herniation with Radiculopathy: A Randomized Clinical Trial」Medicina (Kaunas). 2026. PMID: 41752649. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41752649/





