「アキレス腱のあたりが痛む・朝の一歩目がつらい方へ」── アキレス腱症への保存的ケアと最新研究をもとに詳しく解説します
2026年07月10日
神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。
「最近、かかとの少し上あたりが朝に歩き出すときに痛む」「ランニングの後にアキレス腱が張る感じがずっと続いている」「少し歩いても足首のあたりが重だるい」このようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
アキレス腱の周辺に痛みや不快感が続いている場合、「アキレス腱症(アキレス腱障害)」が関係している可能性があります。今回は、アキレス腱症の基本的な特徴から、日常生活の習慣との関係、そして近年の研究知見を踏まえた保存的なケアのアプローチまで、詳しく解説していきます。
アキレス腱症とは?
アキレス腱症(Achilles Tendinopathy)とは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)とかかと(踵骨)をつなぐ「アキレス腱」に慢性的な変性や炎症様の状態が生じ、痛みや機能の制限が起こることを指します。
アキレス腱は人体の中でもとりわけ太くて強い腱のひとつですが、繰り返しの負荷や急激な運動量の増加によって、腱の組織に細かなダメージが蓄積していくことがあります。
大きく分けると、アキレス腱の中央部(かかとから2〜6cm程度上あたり)に生じる「中央部アキレス腱症」と、かかとの骨との付着部近くに生じる「付着部アキレス腱症」の2種類があります。今回は、特に日常的に多く見られる「中央部アキレス腱症」についてお話しします。
よく見られる症状や特徴
アキレス腱症では、次のようなお悩みがよく見られます。
- 朝起きてから最初の数歩で足首の後ろ側に痛みや違和感が出る
- 運動をしばらく続けていると違和感がやわらぐが、運動後や翌朝にまた痛みが出る
- アキレス腱の部分を手で触ると痛みや腫れを感じる
- ふくらはぎが張りやすく、腱のあたりが硬くなっている感じがある
- 階段の上り下りや坂道で違和感が強くなる
- かかとを上げる(つま先立ち)動作で痛みや張りが出る
このような症状は「少し休めば楽になる」と感じやすいのですが、適切な対応をしないまま繰り返し負荷をかけ続けると、状態が慢性化しやすいとされています。

原因として考えられる状態(論文知見を踏まえて)
アキレス腱症が起こる背景には、さまざまな要因が関係していることがあります。
繰り返しの負荷と組織の回復力のアンバランス
ランニングやジャンプなどの繰り返し動作によって腱に微細な損傷が蓄積し、十分な回復が得られない状態が続くと、腱の組織が変性しやすくなると考えられています。
急激な運動量の増加
これまでの活動量から大きく変化した場合(急に走る距離が増えた、久しぶりにスポーツを再開したなど)に、腱への負担が一時的に集中することがあります。
ふくらはぎの筋肉の硬さや柔軟性の低下
腓腹筋やヒラメ筋が硬くなっていると、アキレス腱にかかる引っ張りの力が増しやすくなる可能性があります。
近年の研究でも、アキレス腱症に対するアプローチが注目されています。2023年にBMC Sports Science, Medicine and Rehabilitationに掲載されたシステマティックレビュー・メタ分析(Prudêncio DA et al.)では、中央部アキレス腱症に対する複数の運動アプローチを比較した8件の研究を統合した結果、エキセントリック運動(遠心性収縮を用いた運動)が他の運動療法と比較して疼痛の改善においてより大きな変化をもたらす可能性が示されたと報告されています。
この「エキセントリック運動」とは、筋肉が伸びながら力を発揮するタイプの動作で、ふくらはぎを使ってゆっくりとかかとを下げていくような動きが代表例です。こうした運動アプローチは、腱のコラーゲン組織の再構築に関与する可能性があるとして、臨床の現場でも広く活用されるようになっています。当院では、このような運動指導を手技(施術)と組み合わせてご提供するよう心がけています。

姿勢や生活習慣の影響
アキレス腱症の背景には、日常の姿勢や生活習慣が関係している可能性があります。
たとえば、足首が内側に倒れ込みやすい「過回内(オーバープロネーション)」と呼ばれる足のアライメントは、アキレス腱への負担を増やす要因のひとつになりうると言われています。また、足のアーチが低い(扁平足気味)の方や、反対にハイアーチの方も、腱への力学的な負担が生じやすい場合があります。
さらに、長時間の立ち仕事やかかとの高い靴の日常的な使用、毎日の運動量が急に変わるような生活パターンも、腱への累積的なストレスに関係している可能性があります。
デスクワークが続いてふくらはぎを動かす機会が少ない方も、血流の循環が低下し腱まわりのコンディションが落ちやすい状態になることがあります。
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。特に痛みが強い場合や腱の断裂が疑われる場合には、専門医療機関への受診をご検討ください。
放置によって起こりうる影響
アキレス腱症の状態が続いたまま過ごしていると、いくつかの点で日常生活への影響が広がっていく可能性があります。
腱の組織変性が進むと、最終的には腱の断裂リスクが高まるとも言われています。また、痛みをかばって歩き方が変わることで、膝や股関節、腰への負担が増えることも考えられます。さらに、痛みが続くことで運動量が著しく落ち、体力や筋力の低下につながることもあります。
「少し休めばよくなるかも」と感じていても、根本的な状態に向き合わないまま時間が経過すると、慢性化して対応に時間がかかるようになる場合があります。早い段階から適切なケアに向き合うことが、状態の長期化を防ぐうえで重要と考えられています。

当院で行っている対応
横須賀悠整骨院では、アキレス腱周辺の不調に対して、次のような流れでアプローチしています。
1. 状態の確認・動きチェック
まず、どの部分に痛みや張り感があるのか、足首や足部の動き方、ふくらはぎの筋肉の状態などを丁寧に確認していきます。お体の状態をしっかり把握してから、その方に合ったアプローチを考えていきます。
2. 手技(施術)
ふくらはぎや足底の筋肉に対する手技を通じて、腱周辺の緊張状態をやわらげ、血流の状態を整えることを意識したアプローチを行っています。また、足首周辺の関節の動き方が制限されている場合には、関節モビライゼーションの技術を用いることもあります。
3. セルフケアのアドバイス
日常生活で取り組んでいただける、ふくらはぎのストレッチや段階的な負荷のかけ方について、一人ひとりの状態に合わせてお伝えするよう心がけています。前述のエキセントリック運動のような、腱の状態に向き合う運動法についても、無理のない範囲でご案内しています。

こんな方は一度ご相談ください
- 朝の一歩目にかかとの上あたりが痛む
- 運動後にアキレス腱あたりが張り、翌日まで残ることがある
- 長く歩いたり走ったりすると足首まわりが重くなる
- ふくらはぎが常に硬い感じで、伸ばしても張りが残る
- スポーツを久しぶりに再開したら足首まわりの不調が出てきた
- かかとを上げる動作のたびに張りや痛みが気になる
思い当たるお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。同じような症状の方でも、状態や原因はさまざまですので、丁寧に確認しながら対応させていただきます。
まとめ
アキレス腱症は、繰り返しの負荷や急激な活動量の変化、筋肉の硬さなどが関係して起こりやすい状態です。放置することで慢性化しやすく、日常生活全体への影響が広がる可能性があります。
近年の研究では、エキセントリック運動を中心とした運動アプローチが保存的ケアとして注目されており、手技と組み合わせながら段階的に状態に向き合っていくことが大切と考えています。
「かかとの上が最近ずっとおかしい」「ランニング後に腱が痛む」と感じている方は、ぜひ横須賀悠整骨院へご相談ください。
参考文献
Prudêncio DA, Maffulli N, Migliorini F, et al.「Eccentric exercise is more effective than other exercises in the treatment of mid-portion Achilles tendinopathy: systematic review and meta-analysis.」BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation. 2023;15(1):13. DOI: 10.1186/s13102-023-00618-2. PMID: 36698184. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36698184/





