「肩が上がらない・夜間の痛みが続く方へ」── 肩関節周囲炎(凍結肩)と徒手療法・運動の組み合わせについて、最新研究をもとに詳しく解説します
2026年07月13日
神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。
「最近、肩が思うように上がらなくなってきた」「腕を後ろに回す動作がひどく難しくなった」「夜中に肩がズキズキして目が覚めてしまう」このような症状でお困りの方はいらっしゃいませんか。こうした肩まわりの不調には、「肩関節周囲炎(けんかんせつしゅういえん)」と呼ばれる状態が関係している可能性があります。
今回は、この肩関節周囲炎、一般には「四十肩」「五十肩」「凍結肩」とも呼ばれる──について、最新の研究知見をもとにわかりやすく解説いたします。
肩関節周囲炎(凍結肩)とはどのような状態か
肩関節周囲炎とは、肩の関節を包む「関節包(かんせつほう)」という組織に炎症や拘縮(こうしゅく)が生じ、肩の動きが大きく制限される状態です。英語では「Adhesive Capsulitis(アドヒーシブ カプスリーティス)」という名称で世界的に広く知られており、「関節包が癒着して固まる」という意味合いを持っています。
一般的に「四十肩・五十肩」として知られていますが、40〜50代に限らず、30代から60代以上の方にも起こりうる状態です。世界的なデータでは、一般人口のおよそ1%前後がこの状態を経験するとされており(Kirker et al., 2023)、決して珍しくない肩の不調のひとつです。
肩関節周囲炎には「原発性(明確な原因なく発症)」と「続発性(他の疾患や外傷に続いて発症)」の2種類があります。多くのケースは原発性で、なぜ関節包に炎症が生じるかはまだ完全には解明されていないものの、組織の線維化や血管の増生などが関わっていると考えられています。

こんな症状が見られることがあります
肩関節周囲炎が関係している場合、以下のような症状が見られることがあります。
- 腕を前や横に上げるときに痛みを感じる、または腕が上がりにくい
- 後ろに手を回す動作(髪をまとめる、エプロンの紐を結ぶ、背中をかくなど)が難しい
- 夜間に肩がうずくような痛みがあり、寝返りのたびに目が覚める
- 肩を動かそうとするとひっかかるような感覚がある
- しばらく動かさないでいると、さらに固まってきた気がする
- 両肩を比べると、片側の肩の動きが明らかに小さい
これらの症状がいくつか当てはまる場合は、早めに状態を確認することをおすすめします。
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。

原因として考えられる状態── 最新研究の知見をもとに
肩関節周囲炎の発症には複数の要因が関係していると考えられています。
最も重要な要因として挙げられるのが、「関節包の炎症・肥厚・癒着」です。肩関節を包む関節包に炎症が起きると、組織が厚くなったり硬くなったりし、関節内の空間が狭まっていきます。この状態が続くと、肩の動きがどんどん制限されていきます。
2023年に Journal of Manual & Manipulative Therapy に掲載されたシステマティックレビュー兼メタ解析(Kirker et al.)では、肩関節周囲炎(原発性)に対する徒手療法と運動療法の組み合わせについて、PubMed・Embase・Cochrane・PEDro・ClinicalTrials.gov など複数のデータベースを対象に網羅的に文献が収集・分析されています。この研究では、手技と運動を組み合わせたアプローチが可動域や痛みのコントロールに対して有益な影響をもたらす可能性があることが示されており、適切な頻度・強度・期間での介入が重要と整理されています。
また、糖尿病や甲状腺の状態、ホルモンバランスの変化(更年期など)、長期間にわたる肩の不動なども、肩関節周囲炎の発症と関連することが知られています。こうした全身的な背景がある場合には、医療機関との連携が重要になることもあります。
姿勢・生活習慣との関係
肩関節周囲炎は、日常の姿勢や生活習慣とも関わりが深いとされています。
たとえば、長時間のデスクワークやスマートフォン操作で「頭が前に出て、肩が内側に入り込みやすい姿勢」が習慣化すると、肩甲骨まわりの筋肉バランスが乱れ、肩関節への負担が増えやすくなる可能性があります。また、「痛みを感じてから肩を使わないようにしていた」という方では、使わないことによって関節まわりの組織がさらに硬くなるという悪循環に陥るケースも少なくありません。
睡眠時の姿勢も影響することがあります。痛みのある側を下にして寝ることで肩への圧迫が続き、朝方に強い痛みを感じやすくなることがあります。適切な枕の高さや睡眠中の姿勢を意識することも、日常管理のひとつです。

放置した場合に起こりうること
肩関節周囲炎は、適切なケアをせずに放置すると、可動域の回復が思うように進まないことがあります。
一般的な経過としては、「強い痛みが続く急性期」「痛みは少し落ち着くが動きがほとんど出ない拘縮期」「少しずつ動きが戻ってくる回復期」という3つのフェーズをたどるとされています。このうち拘縮期が長引くと、日常生活での支障が数ヶ月から1〜2年以上に及ぶ場合もあります。
また、長期間にわたって肩を動かさないでいることで、肩まわりや腕の筋力が低下し、さらに肩の安定性が落ちるという二次的な問題が生じることもあります。洋服の着脱・洗髪・家事など日常の動作に支障が続くことは、生活の質全体に影響します。
当院での対応について
横須賀悠整骨院では、肩の動きにくさや夜間の痛みについてご相談をいただいた際、以下のような流れで対応しています。
状態の確認・動きのチェック
まず、肩がどの方向にどれだけ動くか、どの動作で痛みや引っかかりが生じるかを一つひとつ確認します。急性期なのか拘縮期なのかによって、アプローチの内容が変わってきます。
手技によるサポート
関節の動きをサポートするような手技(モビライゼーションや組織へのアプローチなど)を行いながら、関節まわりの柔軟性の変化を促すよう働きかけます。前述のKirker et al.(2023)の研究が示すように、手技と運動を組み合わせたアプローチが段階に合わせて重要とされており、当院でもこの考えに沿った対応を行っています。
ご自宅でできる運動のご案内
施術だけでなく、ご自宅でも続けられる肩まわりの運動(振り子運動や段階的な可動域訓練など)についても、状態に合わせてお伝えします。自宅でのセルフケアが、院での対応を補う大切な柱になります。
姿勢・日常動作のアドバイス
肩への余計な負担を減らすための姿勢の取り方や、睡眠時のポジショニングについてもアドバイスします。日常生活の中での工夫が、状態の安定につながります。
こんな方はぜひご相談ください
- 最近、肩が上がらなくなってきたと感じている
- 夜間の肩の痛みで何度も目が覚める
- 服の着脱や洗髪が億劫になってきた
- 肩の痛みが出始めて3ヶ月以上たつが、改善している実感がない
- 「四十肩・五十肩だから仕方ない」とあきらめている
一人で抱え込まずに、まずは状態を確認することが大切です。
まとめ
肩関節周囲炎(凍結肩・四十肩・五十肩)は、「年のせい」として放置されがちですが、放置することで生活上の不便が長引く可能性があります。最新の研究では、徒手療法と運動療法を組み合わせたアプローチの重要性が示されており、当院ではこうした知見を参考にしながら、一人ひとりの状態に合わせた対応をしております。
肩の動かしにくさや夜間の痛みなどのような症状でお悩みの方は、ぜひ横須賀悠整骨院へお気軽にご相談ください。
参考文献
Kirker K, O’Connell M, Bradley L, Torres-Panchame RE, Masaracchio M.「Manual therapy and exercise for adhesive capsulitis: a systematic review with meta-analysis.」Journal of Manual & Manipulative Therapy. 2023; PMID: 36861780. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36861780/





