「肘の外側が痛む・物をつかむたびに痛みが走る」── 外側上顆炎(テニス肘)と保存的ケアの最新研究をもとに詳しく解説します

2026年06月3日

神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。

「ペットボトルのふたを開けるときに肘の外側が痛む」「長時間パソコン作業をすると肘の外側に違和感が出る」「雑巾を絞ったり、重い袋を持ち上げたりするたびに痛みが走る」──こうしたお悩みをお持ちの方は、外側上顆炎(がいそくじょうかえん)、いわゆる「テニス肘」が関係している可能性があります。

外側上顆炎はテニスをする方に多いというイメージがありますが、実際にはデスクワーク、料理、介護、清掃作業など、手首や前腕を繰り返し使う場面で幅広く見られる状態です。今回は、外側上顆炎の特徴や原因として考えられる状態について、最新の研究をもとに詳しく解説します。

 

外側上顆炎(テニス肘)とは?

外側上顆炎とは、肘の外側にある骨の出っ張り(外側上顆)に付着する腱、なかでも「短橈側手根伸筋腱(たんとうそくしゅこんしんきんけん)」と呼ばれる部分が、繰り返しの負荷によって変性・損傷しやすくなった状態のことをいいます。

「炎症」という言葉が名称に含まれていますが、近年の研究では、慢性化した外側上顆炎においては急性的な炎症反応よりも「腱の変性(コラーゲン線維の乱れ・腱の構造変化)」が主体であることが多いと指摘されています。このため、単純に冷やしたり休めたりするだけでなく、腱に対するアプローチや動きの改善を組み合わせた複合的なケアが重要と考えられるようになっています。

前腕には、手首を甲側に反らす筋肉(手首伸筋群)が多く走行しており、これらの筋肉がまとまって付着している場所が「外側上顆」です。手首や前腕の回旋動作を繰り返すたびに、このポイントに引っ張りの力が集中しやすいため、日常的な作業の積み重ねが症状の引き金になりやすいとされています。

 

よく見られる症状・特徴

外側上顆炎では、以下のような症状が見られることがあります。

  • 肘の外側の骨の出っ張りを押すと強い圧痛がある
  • 物を握ったり、手首を動かしたりすると肘の外側に痛みが出る
  • 雑巾を絞る、ペットボトルのふたを開ける、ドアノブを回すといった動作が痛くてやりにくい
  • 長時間のタイピングやマウス操作のあとに肘が重だるくなる
  • 初期は動作時だけの痛みが、悪化すると安静時にも痛みが続くことがある
  • 物を持つ力が落ちたように感じる
  • 肘から前腕にかけてじんじんとした感覚が出ることもある

これらのような症状に心当たりがある方は、放置せず一度ご相談いただくことをおすすめします。

 

原因として考えられる状態

外側上顆炎が起こる背景には、いくつかの要因が絡み合っていると考えられています。

もっとも多いのが「繰り返しの同じ動作による腱への負荷の蓄積」です。前腕の筋肉は手首の伸展(手首を甲側に反らす動き)や前腕の回旋(手のひらを上下に返す動き)に大きく関わっており、これらの動作を日常的に繰り返すことで、外側上顆付近の腱に応力が集中しやすくなります。

また、肩関節や胸椎(背骨の胸の部分)の可動域が制限されていると、本来肩や体幹が担うべき動きを肘・前腕が補おうとするため、結果的に肘への負担が増える可能性があります。肘だけを単独で見るのではなく、肩から腕にかけての全体的な動きを確認することも大切です。

2025年にCureus誌に掲載されたシステマティックレビュー・メタ解析(Tayyab M, Ahmad Z, Tanveer M, et al.)では、外側上顆炎を含む各種腱症に対して、手技的アプローチと運動を組み合わせたケアが、運動単独と比較して痛みの改善において有意な差があることが報告されています。4件のランダム化比較試験・255名のデータを統合したこの研究では、組み合わせアプローチ群のほうが疼痛の評価指標において有意な改善を示しました(平均差 −2.14、95%信頼区間 −3.50〜−0.78)。

この結果は、外側上顆炎などの腱症に対して複合的なアプローチを行うことの有用性を示すひとつのエビデンスとして参考になります。なお、対象研究数が4件と限られており研究間のばらつきも大きいことから、この知見の解釈には慎重さも必要です。個々の状態によって最適なアプローチは異なりますので、専門家による状態確認を通じて対応を検討することをおすすめします。

姿勢や生活習慣との関係

外側上顆炎の改善を考えるうえで、日常生活の習慣も重要な視点となります。

デスクワーク中にキーボードやマウスをやや遠い位置に置いて腕を伸ばしながら操作している場合、前腕の筋肉が常に緊張した状態になりやすく、肘への負担が増える可能性があります。スマートフォンの長時間操作も、手首が固定された状態が続くことで肘周囲の筋肉に持続的な負担をかけることがあります。

仕事での工具の持ち方、料理中の包丁や鍋の扱い方、介護での抱え方や移乗の動作なども、肘に影響している可能性があります。「腕や肘だけの問題」と思っていても、姿勢全体・肩の動き・体幹の安定性が背景にある場合も少なくありません。

また、利き腕側に症状が出やすい傾向がありますが、非利き腕側に出ることもあります。利き腕の使いすぎだけでなく、利き手をかばうための非利き手の無理な使い方が原因になることもあります。

放置するとどうなる?

外側上顆炎を「少し痛い程度だから大丈夫」と放置すると、腱への変性が進み、回復に時間がかかるようになる場合があります。

初期のうちは特定の動作のみに痛みが出る程度でも、慢性化すると安静時にも不快感が続いたり、日常的なあらゆる動作(荷物を持つ、調理する、タイピングするなど)に痛みが伴うようになることもあります。生活の質にも関わってくるため、「まあ大丈夫だろう」と過ごしているうちに改善が難しくなるケースもあります。

また、痛みをかばう動作が習慣化すると、肘だけでなく手首・肩・首の動きにも影響が出てくることがあります。結果的に複数の部位に不調が広がる前に、早めにご相談いただくことが大切です。

※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。

 

横須賀悠整骨院での対応について

当院では、外側上顆炎のような肘の痛みでご来院いただいた場合、まず「どのような動作で痛みが出るのか」「どこを押すと痛みがあるのか」「肩・胸椎・体幹の動きに制限がないか」などを丁寧に確認するところから始めます。

状態の確認を通じて、肘周囲の筋肉・腱への手技的なアプローチ、前腕から肩にかけての筋緊張への対応、可動域の改善を目指した動きのチェックなどを行います。また、日常生活での動作の工夫やセルフケアのアドバイスもお伝えしています。

「どんな動作を控えたほうがよいか」「どこに意識を向けた動きが肘への負担を減らすか」といった点についても一緒に確認していきます。「まだそれほど強い痛みではないけれど気になっている」という段階からでも、どうぞお気軽にご相談ください。

 

こんな方は一度ご相談ください
  • 肘の外側を押すと痛みがある
  • 物をつかんだり、手首をひねる動作で肘が痛い
  • デスクワークやスマホ使用後に肘が重だるく感じる
  • テニスやバドミントン、ゴルフなどの後から肘の痛みが続いている
  • 以前にも同じような症状があって再発した
  • 湿布などで様子を見ているが、なかなか改善しない
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まとめ

外側上顆炎(テニス肘)は、スポーツをされる方だけでなく、日常的に手首や前腕を使う多くの方に起こりうる状態です。近年の研究では、手技的アプローチと運動を組み合わせることが、運動単独よりも痛みの状態に変化が出やすいことが報告されています。

慢性化する前に早めに状態を確認していただくことが大切です。横須賀悠整骨院では、丁寧な状態確認と個別の対応を心がけています。「肘が痛くて日常動作が不自由」「痛みが続いていて何とかしたい」という方のご相談をお待ちしています。

 

参考文献

Tayyab M, Ahmad Z, Tanveer M, et al. Effectiveness of Dry Needling Combined With Exercise Versus Exercise Alone in Various Tendinopathies: A Systematic Review and Meta-Analysis. Cureus. 2025. PMC12538665. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC12538665/