「関節がぐらつく感覚」でお悩みの方へ ── 固有受容感覚と徒手療法の関係について、最新研究をもとに詳しく解説します
2026年08月18日
神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。
「階段を降りるときに足首が不安定な感じがする」「片足立ちがなんとなく苦手になった」「昔ねんざしたところが、今でもたまにガクッとなる」——このような感覚を抱えたまま、特に強い痛みがあるわけでもないからと放置してしまっている方は少なくありません。痛みという分かりやすいサインがない分、周囲にも相談しにくく、ご自身の中でも「気のせいかもしれない」と片付けてしまいがちな不調でもあります。今回は、こうした「関節の感覚のズレ」に関わる固有受容感覚というテーマについて、2026年に発表された最新の研究知見をもとに詳しく解説します。
固有受容感覚とは
固有受容感覚とは、関節や筋肉、腱にあるセンサー(筋紡錘・腱紡錘・関節の受容器など)が働くことで、目を使わなくても「今、自分の関節がどの角度にあるか」「身体がどの方向に動いているか」を脳が把握できる感覚のことです。私たちが階段を目視しなくても踏み外さずに歩けたり、でこぼこ道でもとっさにバランスを立て直せたりするのは、この感覚が正常に働いているためだと考えられています。
関節をねんざしたり、長期間同じ関節を使いすぎたりすると、このセンサーの働きが乱れ、関節の位置を正確に感じ取りにくくなることがあるとされています。痛みが引いた後もなんとなく「関節が頼りない」という感覚が残るケースには、こうした固有受容感覚の変化が関係している可能性があります。特に足首や膝、肩など、日常生活で頻繁に使う関節ほど、この感覚のズレが動作のクセとして表れやすいとも考えられています。

よく見られる症状・特徴
固有受容感覚の乱れに関連すると考えられる特徴には、次のようなものが挙げられます。
- 片足立ちや不安定な床面でふらつきやすい
- 過去にねんざした足首や膝が、なんとなく頼りなく感じる
- 階段の上り下りで着地の感覚がずれるように感じる
- 姿勢を保つときに無意識に力が入りやすい
- 疲れてくると関節の動きがぎこちなくなる
- 目をつむって片足立ちをすると、以前より早くぐらつく
- 靴の底が片側だけ極端にすり減る
これらは痛みを伴わないことも多いため、「年齢のせい」「たまたま調子が悪いだけ」と見過ごされがちな症状です。しかし、こうした小さな違和感の積み重ねが、後々の身体の負担につながっていくケースも見受けられます。
原因として考えられる状態
2026年に医学雑誌Journal of Functional Morphology and Kinesiologyに掲載された系統的レビューでは、関節モビライゼーションや高速低振幅のマニピュレーションといった徒手療法が、関節位置覚(関節がどの角度にあるかを言い当てる正確さ)にどのような影響を与えるかを、7件のランダム化比較試験(合計350名)をもとにまとめています。この報告では、脊椎や末梢の関節に対する徒手的なアプローチの後に、関節位置覚の誤差が有意に小さくなったことが示されており、徒手療法が神経系の働きに何らかの形で関与している可能性が指摘されています。対象となった研究は脊椎・肩・膝・足関節など複数の部位にわたっており、特定の一部位だけでなく、身体全体の感覚のネットワークに関わりうるテーマとして扱われている点も注目に値します。
つまり、関節そのものの構造だけでなく、関節の動きを脳へ伝える感覚のネットワークにも目を向けることが、関節の不安定感を考えるうえで重要な視点になってきているといえます。従来、関節の不安定感というと筋力不足がまず注目されがちでしたが、感覚の精度という切り口も、あわせて考慮する価値があるといえそうです。なお、この報告はあくまで既存の研究をまとめた系統的レビューであり、対象となった研究数や被験者数には限りがあるため、今後さらに研究が積み重ねられていく分野であるという点も付け加えておきたいと思います。
姿勢や生活習慣の影響
長時間同じ姿勢でのデスクワークや、スマートフォンを見続ける猫背姿勢は、特定の関節や筋肉ばかりに負担をかけ、感覚のセンサーが偏った情報しか脳に送れなくなる状態を招きやすいと考えられています。また、運動不足によって関節を大きく動かす機会が減ることも、感覚の精度が鈍る一因になっている可能性があります。日常的にあまり歩かない、階段を避けてエレベーターばかり使う、といった生活習慣が積み重なることで、関節の感覚と姿勢の安定性に影響が出てくることもあるようです。加えて、加齢によって筋肉量や柔軟性が少しずつ変化していくことも、感覚のセンサーの働きに影響を及ぼす要因のひとつと考えられています。履き慣れたサンダルばかりで過ごす、硬い靴底の靴を選びがちといった足元の環境も、地面からの感覚情報の伝わり方に影響していると考えられており、日々の何気ない選択の積み重ねが少しずつ身体の感覚に影響しているのかもしれません。

放置によって起こりうる影響
関節の感覚のズレをそのままにしておくと、無意識のうちに特定の関節をかばうような動き方が身についてしまい、それが腰や膝など別の部位への負担につながることがあります。また、バランスを崩しやすい状態が続くと、思わぬ場面でのつまずきや転倒のリスクにもつながりかねません。特にご年配の方にとっては、こうした感覚の変化に早めに気づき、向き合っていくことが日常生活の安全にも関わってくると考えられます。若い世代の方であっても、感覚のズレを放置したまま運動を続けることで、同じ部位を繰り返し痛めやすくなる可能性も指摘されています。
当院で行っている対応
横須賀悠整骨院では、まず問診と動作のチェックを通じて、どの関節にどのような負担がかかっているか、バランス能力に左右差がないかなどを確認いたします。片足立ちのテストや関節可動域の確認を行いながら、お一人おひとりの身体の状態を丁寧に把握することを大切にしています。そのうえで、関節の動きを丁寧に確認しながら行う手技によるアプローチを行い、関節本来の動く範囲を取り戻していけるよう対応いたします。あわせて、日常生活の中で意識していただきたい姿勢のポイントや、ご自宅でできる簡単なバランストレーニングについてもアドバイスをさせていただいております。施術は一度で終わるものではなく、身体の状態を継続的に確認しながら、無理のないペースで進めていくことを心がけております。
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。痛みやしびれを伴う場合、症状が急に強くなった場合などは、無理をせず医療機関への受診もあわせてご検討ください。
こんな方は一度ご相談ください
- 片足立ちがしにくくなったと感じる方
- 過去のねんざから足首や膝の頼りなさが続いている方
- 姿勢を保つのに疲れやすいと感じる方
- ご高齢のご家族の転倒予防について参考になる情報を知りたい方
- 特定の関節の使い方に癖があると自覚のある方
- 長年のデスクワークで身体の感覚が鈍っていると感じる方
まとめ
「関節がぐらつく感覚」は、痛みがないために見過ごされやすい不調ですが、その背景には関節の感覚を脳へ伝えるしくみである固有受容感覚の変化が関係している可能性があります。最新の研究では、徒手療法によるアプローチがこうした感覚の精度に変化をもたらす可能性が報告されており、日々の姿勢や生活習慣とあわせて向き合っていくことが大切だと考えられます。当院では、痛みの有無だけでなく、こうした「感覚のズレ」にも目を向けながら、お一人おひとりの身体と向き合ってまいります。気になる症状がございましたら、どうぞお気軽に横須賀悠整骨院までご相談ください。

参考文献
Hadjisavvas S, Themistocleous IC, Efstathiou MA, Papamichael E, Michailidou C, Stefanakis M. “The Effect of Joint Mobilization and Manipulation on Proprioception: Systematic Review with Limited Meta-Analysis.” Journal of Functional Morphology and Kinesiology, 2026.
URL:
https://www.mdpi.com/2411-5142/11/1/59





