外反母趾
- 歩いていると靴の中で親指の付け根が当たって痛む
- 親指と人差し指が重なってしまう
- 足の形が変わってきてしまい気になる
- シンスプリントや膝の痛みもある
- 長時間歩いていると疲れてしまう
上記のような状態でお悩みの方、外反母趾かもしれません。
外反母趾とは足の親指が付け根から、内側に変形が起こり足の形が変わってしまう状態です。
多くの場合、外反母趾の方は内反小趾や扁平足など足全体の問題が併発していたり、膝や股関節など全身的な問題を抱えているケースが多く、外反母趾のみの改善にフォーカスするのではなくより大きなユニットで考える必要があります。
下記図を見ていただければ外反母趾が引き起こす問題が足の変形のみではないことがわかりやすいかと思います。
・足の裏で親指が踏ん張れないため、股関節が内巻きになりやすい
・股関節が内巻きになると股関節の詰まりや坐骨神経痛のリスクが上がる
・親指が踏ん張れないため膝が内側に倒れやすい
・膝が内側に倒れると内側の靭帯や膝外側の半月板を痛めやすい
・膝の内部の前十字靭帯の損傷リスクが上がる
・両側の足に外反母趾が発生すれば両側の股関節に内巻きが強くなり、反り腰のリスクも上がる
などたかが外反母趾と侮るなかれ、さまざまな怪我の原因となり得ます。
ここからは外反母趾が何故発生してしまうのか。とどの様にして対策していくべきかについてお話ししていきましょう。
何故外反母趾になるのか? 遺伝?使い方?
結論から申し上げますと、外反母趾は遺伝や突然変異ではありません。
体の使い方の癖から生じるものですので、使い方を工夫すれば対策可能です。
なぜ外反母趾になるのか?
この疑問を解消するには、
・足の形は実は誰しも歩行フェーズによって微妙に変わっていること と
・後述する”固い足”と”柔らかい足”の役割の違いを理解する必要があります。
ちょっと字が小さいかもですが申し訳ないです。
頑張って作りました笑
この図は、歩行のフェーズとそれに伴って変化する足の形状を表したものになります。
この図では左足に注目しているので左足で話を進めて参りますね。
まず、図の最上段左端を見ていただきたいと思います。
左足は”着地”というフェーズにあり、左最下段の足の骨の図のように親指の付け根と小指の付け根が広がります。
指の付け根の骨が広がることによって、足の構造内の骨の密度が下がりますので剛性(硬さ、構造の強さ)が下がり”柔らかい足”となります。
柔らかい足は柔らかいので、クッション性に優れ衝撃吸収能力に優れていますので着地フェーズでは最適な足の形となります。
次に図の最上段右端をご覧ください。
これは左足で地面を蹴り、進行方向に推進力を発生させるフェーズとなっています。
ここでの足の形は最下段右端のように骨の密度がぎゅっと詰まった”固い足”です。
固い足は衝撃の吸収力は低いですが、その分剛性が高いので足の裏からの力を体全体に伝えることに長けています。
自転車のタイヤが空気が抜けて柔らかすぎるといつもよりペダルが重くなりますよね。
アレです。それが柔らかい足です。
逆にタイヤに空気入れすぎてカッチカチにすると、ペダルは軽いけど段差から降りた時衝撃がすごくないですか?
それが固い足です。
要は誰しも柔らかい足と固い足を切り替えて使っているのが通常状態であって、問題は何らかの異常が発生して切り替えがうまくいかなくなった時なのです。
ここで柔らかい足の形状を一度じっくり見てみていただきたいです。
ちょっと外反母趾ちっくじゃないですか?
そうなんです。外反母趾の正体は柔らかい足しか選択できなくなってしまい、その状態が長引くことで変形が進んでいってしまった状態なのです。
当然柔らかい足の特徴を持っていますから、クッション性はいいけれど力の伝達性や剛性は低いということです。
外反母趾や扁平足を持つ方は足が疲れやすかったり細かいステップなどの動きでもたつきやすいのはこういった背景があるのです。
どのように悪化を防ぎ改善を目指せば良い?
先ほども説明した通り外反母趾は足の問題ではあるけれど足だけの問題ではありません。
股関節から下の下腿全体のアライメント(位置関係)の問題です。
故に改善を目指す場合にも足だけの視点からもっと離れて、少なくとも下半身全体のバランス、アライメントから考えていくべきです。
・反り腰や腹圧の低下の改善
・股関節の内巻きの改善
・膝の形の問題の改善
・扁平足の有無、正しいアーチの形成
・足の指を動かす練習
などざざっと羅列しただけでもやるべきことがたくさんあります。
どのような不調も(もちろん外反母趾も)改善のための方程式は
正しい方向性 × 必要な量の改善行動 × 介入の質
です。
ただ闇雲に親指を引っ張ったり、インソールを入れたり、テーピングで固定するだけでは方程式の要素はうまく埋まらず中々改善しません。
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