「股関節の痛みや動かしにくさが続く方へ」── 変形性股関節症と保存的ケアの最新研究をもとに詳しく解説します

2026年07月14日

神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。

「椅子から立ち上がるときに、股関節の奥が痛む」「歩き始めの一歩が重い」「階段を下りるときに股関節やお尻のあたりに違和感がある」「しゃがんだり靴下を履いたりするときに、以前より股関節がうまく動かない気がする」 このような症状が続いている方はいらっしゃいませんか。こうした症状の背景には、変形性股関節症が関係している可能性があります。

今回は、2026年にBMJ系の国際学術誌「RMD Open」に掲載された最新のアンブレラレビュー(複数の系統的レビューをまとめた高品質な研究)をもとに、変形性股関節症とはどのような状態なのか、保存的なアプローチとして何が知られているのかについて詳しく解説します。

変形性股関節症とは?

股関節は、骨盤の「寛骨臼(かんこつきゅう)」と太ももの骨の上端にある「大腿骨頭(だいたいこつとう)」が組み合わさった「球関節」です。関節面にはなめらかな軟骨が覆っており、歩行・立ち座り・体重を支えるといった日常動作のほぼすべてに関与しています。

変形性股関節症とは、この関節軟骨の状態が変化してすり減ったり薄くなったりすることで、痛みや可動域の制限が生じてくる状態をいいます。日本では、骨盤のくぼみ(臼蓋)が浅い「臼蓋形成不全」という素因を持つ方に多く見られるとされています。加齢とともに進行しやすい傾向がありますが、若い世代でも発症することがあり、長年の積み重ねで徐々に症状が出てくるケースも少なくありません。

股関節は、体を支える上でとても重要な関節です。状態が変化すると、立つ・歩く・座るなどの日常動作全般に影響が及びやすいため、早い段階から状態を把握し、適切なケアを続けることが大切だと考えています。

よく見られる症状・特徴

変形性股関節症では、以下のような症状が見られることがあります。

  • 立ち上がりの際に、股関節の奥・鼠径部(そけいぶ)・太ももの内側、またはお尻のあたりに痛みや違和感を感じる
  • 歩き始めの一歩目が重く、しばらく歩くと楽になることがある(「スタートアップペイン」のような症状)
  • 長時間立っていたり歩いたりした後に、股関節まわりのだるさや痛みが増す
  • 靴下を履く・床のものを拾う・しゃがむなど、股関節を深く曲げる動作がしにくい
  • あぐらをかく・足を横に広げるといった動作が制限されている
  • 歩くとき骨盤が左右に揺れやすくなっている(「跛行」や「がに股」のような歩き方になる)
  • 股関節まわりの筋肉が張っている・硬くなっている感覚がある
  • 長く座ったままでいると股関節が硬く感じられ、動き始めに重さを感じる

これらはあくまでも一例であり、症状の出方や程度には個人差があります。腰痛や膝の不調を合わせてお持ちの方も多く見られます。

※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。

原因として考えられる状態

変形性股関節症の原因は一つではなく、複数の要因が組み合わさって関与していると考えられています。

関節軟骨の変化

軟骨はクッション役を担っていますが、長年にわたる体重負荷の繰り返し、骨の形(臼蓋形成不全など)、筋肉バランスの崩れなどが積み重なることで、軟骨の状態が変化しやすくなります。

股関節まわりの筋力低下と柔軟性の低下

股関節はお尻の筋肉(大殿筋・中殿筋)、太ももの前後の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス)、股関節前面の筋肉(腸腰筋)など、非常に多くの筋肉によって支えられています。これらのバランスが崩れると、特定の部分に負担が偏り、股関節への負担が増す可能性があります。

骨盤の傾きや姿勢の影響

骨盤の前後・左右の傾きが大きい場合、股関節への荷重分布が変わることがあります。日常的な姿勢や動作の癖が、長期間にわたって股関節への負担を蓄積させることがあると考えられています。

2026年にBMJ系の学術誌「RMD Open」に掲載された最新のアンブレラレビューでは、変形性関節症(膝・股・手・足関節)の患者さんを対象に、5本の系統的レビューと28本のランダム化比較試験(計約13,000例)を統合して、保存的アプローチの効果を検証しました。この研究では、運動療法がプラセボや無治療と比較して痛みや機能障害に対して有意な改善をもたらす可能性があることが確認されており、さらに徒手療法をはじめとする他の保存的介入と比較しても同等の改善効果があることも示されています。

姿勢や生活習慣の影響

変形性股関節症の症状は、日常の姿勢や生活習慣と深く関係している可能性があります。

長時間の座位は、股関節前面(腸腰筋)や太もも後面(ハムストリングス)を硬くしやすく、股関節まわりの筋肉バランスを崩す一因となります。デスクワークや車の運転が多い方、座りがちな生活をしている方は特に注意が必要です。

歩き方や立ち方の癖も影響します。足先が外側を向きすぎている、内側に向きすぎている、体が左右に揺れながら歩くなどの癖がある場合、股関節への負荷分布が偏りやすくなります。

体重の管理も重要な要因の一つです。股関節には、歩行時に体重の3〜5倍もの力がかかるとも言われています。体重が増えると、その分だけ股関節への日常的な負担が大きくなります。

放置によって起こりうる影響

「しばらく様子を見ていれば」と放置していると、以下のような影響が出やすくなります。

股関節まわりの筋肉は、使わないと萎縮(廃用)しやすい性質があります。可動域が制限されたまま活動量が減ると、さらに筋力が低下し、日常動作に影響が出やすくなるという悪循環に陥りやすくなります。また、股関節をかばった歩き方が続くと、腰・膝・反対側の股関節など、他の部位に余分な負担がかかりやすくなる可能性があります。

転倒リスクの観点からも、股関節まわりの筋力・バランス能力を維持することは重要です。特に高齢の方の場合、転倒による骨折リスクにもつながりやすいことが知られています。

当院で行っている対応

横須賀悠整骨院では、股関節の状態を丁寧に確認することを大切にしています。

状態の確認・動きのチェック

まず立位・歩行時の骨盤の傾き、股関節の可動域(屈曲・伸展・外転・内旋・外旋それぞれの動き)、周囲の筋肉の緊張状態を確認します。痛みの場所・タイミング・どんな動作で出やすいかなど、ていねいにお聞きしながら状態を把握するよう努めています。

手技によるアプローチ

股関節まわりの筋肉(お尻の筋肉・腸腰筋・大腿部の前後の筋肉など)の緊張に対して、状態を確認しながら手技によるアプローチを行っています。筋膜や関節周囲の組織へのアプローチを通じて、股関節が動かしやすい状態に整えていく施術を心がけています。

動きのアドバイス・セルフケアの提案

ご自宅でできる簡単な股関節のストレッチや、股関節まわりの筋肉を無理なく動かす方法についてもお伝えしています。日常的に少しずつ動きを保つことが、状態の変化につながりやすいと考えているためです。また、歩き方・立ち方のちょっとしたコツなどもアドバイスしています。

こんな方は一度ご相談ください

  • 股関節・鼠径部(そけいぶ)・お尻まわりに痛みや違和感がある
  • しゃがめない・靴下が履きにくいなど、股関節まわりの動きに制限を感じている
  • 歩き始めに股関節がこわばる・重さを感じる
  • 整形外科で「股関節の変形がある」と言われ、その後のケアに迷っている方
  • 股関節まわりの筋力を保ちながら、長く元気に歩き続けたい方
  • 50〜70代で、徐々に股関節まわりの不調が気になり始めた方
まとめ

変形性股関節症は、関節軟骨の変化によって痛みや動かしにくさが生じる状態です。症状は個人差が大きく、生活習慣・姿勢・筋力・骨の形など、複合的な要因が関係していると考えられています。

2026年に発表された最新のアンブレラレビューでは、変形性関節症に対する運動療法をはじめとする保存的アプローチの効果が体系的に確認されており、徒手療法を含む複数の介入と比較しても同等の改善が期待できることが示されています。こうしたエビデンスをふまえ、横須賀悠整骨院では状態を丁寧に確認しながら、手技と動きのアドバイスを組み合わせた対応を行っています。

股関節のことで気になることがある方、どんなケアをすれば良いかわからない方も、まずはお気軽にご相談ください。

参考文献

Schleimer T, Teichert F, Henriksen M, Doeding R, Innocenti T, Brisby H, Klotz MC, Korinth M, Owen PJ, Pieper D, Belavy DL.「Effectiveness of exercise therapy for osteoarthritis: an overview of systematic reviews and randomised controlled trials.」RMD Open (BMJ). 2026. PMID: 41702669. URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41702669/