マッサージだけでは変わらない、身体のこわばり
2026年10月6日

神奈川県横須賀市久里浜と北久里浜の中間に位置する接骨院・整体院の横須賀悠整骨院です。
「肩や腰をもんでもらった直後は楽になるのに、数日するとまた元の重さに戻ってしまう」というお声を、当院ではよく伺います。表面の筋肉だけを緩めても、根っこにある動きにくさまでは変わらないことがあるためです。今回は、筋肉と筋肉をつなぐ「筋膜」という組織に着目した手技療法に関する海外の系統的レビューをもとに、身体のこわばりについて考えてみたいと思います。長年同じ場所の重さを抱えている方にとって、何か気づきになれば幸いです。
筋肉をつなぐ「膜」という視点
私たちの身体の中には、一つひとつの筋肉を包み、隣り合う筋肉同士をつなぐ薄い結合組織があります。これを筋膜と呼びます。筋膜は単なる包装紙のような存在ではなく、身体のある部分の動きを別の部分へと伝える役割を担っていると考えられています。そのため、痛みや動かしにくさを感じている場所と、実際に硬さが生じている場所が一致しないことも珍しくありません。肩がこっていると思って揉んでもらっても、実は背中の下の方や腰まわりの筋膜が引っ張られていることが背景にある、というケースも報告されています。
ご紹介する研究は、2015年から2025年までの10年間に発表された、筋膜へ働きかける手技(ファシャルマニピュレーション)に関する論文をまとめたレビューです。無作為化比較試験12件と観察研究4件、合わせて16件の研究が対象になっており、痛みの程度や関節の動く範囲、日常生活での動作のしやすさといった項目で、一定の改善が報告されています。長期的な効果についてはまだ研究が積み重ねられている段階ですが、身体を「点」ではなく「線」や「面」として捉える視点は、日々施術にあたる私たちにとっても示唆に富むものでした。
今回のレビューで扱われている研究の多くは、慢性的な肩や腰の張り、股関節まわりの動かしにくさなど、日常生活でよく見られる不調を対象にしています。手技を受けた方の痛みの強さを示す指標や、身体を曲げ伸ばしできる範囲を測る検査値が、施術の前後でどう変化したかを比較する形で調べられており、単なる体験談ではなく数値をもとにした検討が行われている点も特徴です。もちろん研究ごとに対象人数や期間にばらつきがあり、すべての方に同じ変化が当てはまるとは限りませんが、身体を線でつながったものとして捉えるという発想自体は、長く同じ場所の不調を抱えている方にとって一つのヒントになり得ると考えています。
こんな心当たりはありませんか

当院にいらっしゃる患者様から伺う訴えには、次のようなものがあります。
- 肩を回すと、特定の角度でひっかかるような感覚がある
- 腰を反らす動作がどこか窮屈に感じる
- 長く座った後に立ち上がると、太ももの裏がつっぱる
- 片側だけ、いつも同じ場所が重だるくなる
- ストレッチをしてもその場限りで、翌日には戻っている
- 靴下を履くときに、腰よりも膝の裏が突っ張る感覚がある
一つひとつは小さな違和感でも、積み重なると日常の動作に影響してくることがあります。特に、朝起きた瞬間よりも、日中身体が温まってから動かしにくさに気づくという方も少なくありません。
なぜ特定の場所ばかり硬くなるのか
筋膜には、筋肉が動く方向に沿って線維が並んでいる部分と、そうでない部分があります。同じ姿勢を長時間続けたり、片側の身体ばかりを使う癖があったりすると、特定のライン上の筋膜に負担が偏って蓄積しやすいと考えられています。たとえば、右手ばかりで重い荷物を持つ習慣がある方は、右の肩から腰にかけての筋膜に硬さが出やすい傾向があります。また、スマートフォンを見る際に首を前に突き出す姿勢を続けていると、首の後ろから背中にかけての筋膜に持続的な張力がかかります。
こうした偏りは、痛みとして自覚される前の段階から少しずつ進んでいることが多く、本人が気づいた時にはすでに動きの制限として現れているケースも少なくありません。家事で毎回同じ手順、同じ向きで作業をする方や、車の運転で常に同じ側の腕をハンドルにかける癖がある方も、気づかないうちに左右差が積み重なっていることがあります。
姿勢や生活の癖との関わり

デスクワークで前かがみの姿勢が続く方、車の運転時間が長い方、家事で同じ動作を繰り返す方など、生活の中には筋膜に偏った負担をかける場面がたくさんあります。特に階段の上り下りで片方の膝だけに体重をかける癖がある方や、荷物をいつも同じ肩にかける方は、左右差が積み重なりやすい傾向にあります。
生活習慣そのものを急に変えるのは難しいものですが、どの動作が負担になりやすいかを知っておくだけでも、意識して休憩を挟んだり、荷物を持つ手を替えたりといった小さな工夫につながります。当院では、こうした日常の癖についてもお話を伺いながら、施術の際にお伝えするようにしています。
そのままにしておくとどうなるか
一時的なこわばりであれば、入浴や軽い運動で和らぐこともあります。しかし、同じ姿勢や動作の癖が続く中でこわばりを放置していると、周囲の筋肉が硬くなった部分をかばうように動くようになり、負担が別の場所へ広がっていくことがあります。最初は肩だけだった違和感が、気づけば首や背中、さらには腰にまで及んでいた、という経過をたどる方も少なくありません。かばう動きが長く続くと、姿勢そのものが崩れてしまい、より広い範囲に負担がかかりやすくなることもあります。
※状態によっては医療機関での検査をおすすめする場合もあります。痛みが強い、しびれを伴う、安静にしていても和らがないといった場合は、無理をせずご相談ください。
横須賀悠整骨院でのおこない

当院では、まず日常生活での姿勢や動作の癖について詳しくお伺いします。そのうえで、実際に身体を動かしていただきながら、どの方向にどれくらい動かしにくいかを確認します。痛みのある場所だけでなく、その周囲や関連する部位まで含めて丁寧に触れて状態を把握することを大切にしています。腰の痛みを訴えて来院された方でも、実際には股関節や太ももの筋膜の硬さが関係していることもあり、全身を見渡した確認を心がけています。
そのうえで、筋膜の連続性を意識した手技を取り入れながら、硬さのある部分に働きかけていきます。あわせて、ご自宅でできる簡単なストレッチや、負担のかかりにくい姿勢の取り方についてもお伝えしています。一度の来院で大きく変わることを約束するものではありませんが、身体の状態を確認しながら、少しずつ動きやすさを取り戻していくお手伝いができればと考えています。継続して通われる中で、ご自身の身体の癖に気づいたという声もいただいています。
通われる頻度は、お身体の状態やお仕事の忙しさによって一人ひとり異なります。週に一度のペースで通われる方もいれば、月に数回、気になったタイミングでいらっしゃる方もいます。当院では無理に頻繁な来院をおすすめすることはせず、日々の生活の中でご自身の身体と向き合う時間を持っていただけるよう、通院のペースについても一緒に相談しながら決めています。
気になる方はご相談ください
「歳のせいだから仕方がない」と諦めてしまう前に、一度身体の状態を確認してみませんか。特に長年同じ場所の重だるさを抱えている方は、筋膜の状態が関わっている可能性があります。当院のスタッフが、動きの確認から丁寧にご案内いたします。久里浜・北久里浜周辺にお住まいの方はもちろん、電車やお車でお越しの方もお気軽にお立ち寄りください。
おわりに
身体のこわばりは、表面をもみほぐすだけでは変わらないことがあります。今回ご紹介した研究のように、筋肉と筋肉をつなぐ筋膜という視点を持つことで、これまで見えていなかった不調の背景に気づくきっかけになるかもしれません。日々の姿勢や動作の癖を少し意識しながら、無理のない範囲で身体と向き合っていただければと思います。当院は、皆様が日常の動作を少しでも楽に感じられるよう、これからもお手伝いしてまいります。
参考文献
Coppola D, et al. 「Efficacy of fascial manipulation in musculoskeletal pain management: A decade in review (2015-2025)」Journal of Bodywork and Movement Therapies, 2026年
PMID: 41927169





